これで偏差値がグンと伸びる!? 『ビリギャル』著者の「子どもを伸ばす言葉」

出産・子育て

公開日:2017/12/27

『バクノビ 子どもの底力を圧倒的に引き出す339の言葉』(坪田信貴/KADOKAWA)

 同じ言葉を口にしても、子どもをやる気にさせることができる大人と、そう できない大人がいる。子どもが耳を傾ける・傾けないの差は、言葉の内容以外にもありそうだ。

『バクノビ 子どもの底力を圧倒的に引き出す339の言葉』(坪田信貴/KADOKAWA)は、1300人の受験生の偏差値を短期間で10~40も急伸させた塾講師の著書。「ビリギャル」(『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』)の著者といえばピンとくる人がいるかもしれない。本書は、著者の「人材育成メソッド」をまとめた語録集。子どもの底力を引き出す339の言葉が収録されている。

 本書は、巻頭で「使い方」を丁寧に説明しており、塾講師の著書らしく実践的だ。

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まず、1日につき1つの言葉を選び、選んだ日付を記した上で、そこからその言葉を5日間だけ実践してみます。そして5日後の夜に、その言葉を実践した結果、自分や子どもの「行動や態度」にどんな変化があったか、評価をしてみてください。これを毎日1つずつ言葉を追加しながら、それぞれの言葉につき5日ずつ実践してみるのです。

 339の言葉、いずれも偏差値急伸に役立ってきた実績がある。言葉の一つひとつを実践することで確実に成果が上がる、という本書の自信が感じられる。

 本書の言葉をいくつか紹介する前に、冒頭の「子どもが耳を傾ける・傾けないの差」に戻りたい。子どもを含め、人は相手によって素直になったり反抗的になったりする、と本書は述べる。

「自分のことを理解してくれている人、あるいは理解しようとしてくれている人」に対しては人は素直になり、「自分のことを理解してもいないし、理解しようともせず、上から命令してくる人、批判してくる人、共感できない価値観を押しつけてくる人」に対しては、反抗的になるのです。

 このため、子どもが本書の言葉で伸びるか否かは、親と子どもの関係が大きく影響する。そこで、本書はまず子どもとのコミュニケーションを改善するための次のような言葉を紹介している。

【好印象を与えるために】会話相手のことは、心の中で抱きしめることです。これで相手に好印象を与えられます。(ラポールの形成)

【人の行動を改善するために】親や指導者の多くは、理屈で人を動かそうとしたがります(認知論的アプローチ)。しかし、頭では「そうしたほうが良い」とわかっていても、なかなかそう動けないことも多いもの。よって、「信頼感」や「感動」で人を動かすほうが良いのです(情動論的アプローチ)。

【人を動かすために】好きな相手と嫌いな相手――人はどちらの言うことをより聞こうとするものでしょうか? もちろん好きな相手の言うことです。そして、誰か(Aさん)に好かれるには、こちら側が(1)Aさんを好きになること、(2)Aさんに好奇心を抱くことが基本です(好意の返報性)。お子さん相手でも同じです。

【人を動かすために】の言葉に基づくと、「くだらない話をしてこないで、勉強しなさい!」「お母さん忙しいんだから、あっちへ行きなさい」などの言葉は、「今日は学校でどんなことがあったか、お母さんに話せる?」「いま、どんなことにハマっているの? おもしろさを教えて!」と言い換えたほうがよいことになる。

 本書は、「コミュニケーションを改善する」ための言葉以外にも、「人材を爆発的に伸ばすための言葉」「相手によって接し方を変える場合の言葉」や、子ども向けの「人生観が変わる言葉」「実際に成績を伸ばすための言葉」、指導者向けの「勉強・教育のとらえ方を変えてみる言葉」などが紹介されている。

 本書の内容を実践することで、子どもが親の言葉をよく聞くようになり、偏差値アップが実現しそうだ。

文=ルートつつみ