日常の中の悩ましき70種類の「厄」に隠された真実! 人生に花を咲かせるための自分でできる厄落とし
更新日:2018/3/22
気にする人は気になってしまう「厄」という現象。災いや災難などの厄介なことが降りかかることを意味するが、なにも厄年だけに限ったことではない。たとえ大ピンチに陥らなくても、心労が絶えない状況は、れっきとした厄と言えるだろう。
そんな忌まわしき厄を70種類列挙して、それらの意味と祓い方を教えているのが『厄祓いの極意』(江原啓之/中央公論新社)。まさか、厄の種類がそんなにもあるとは…。
本書で紹介されているのは厄年以外にも、依存症の厄、予期せぬ出費の厄、セクハラ・パワハラの厄、リストラの厄、病気の厄など、確かに厄といえば厄と思えるものばかり。これらの対処法は知っておきたいもの。
しかし、対処法を知るにあたっては、まずは厄に対する認識を改めなくてはいけない。
「厄は災いでもなければ、悪いものでもありません。自分自身を成長させる幸いです。自分の中にあるものしか、厄として現れません」と著者は言う。
そのうえで解説するのが、厄のメカニズムや人生のバイオリズムとの関連性。厄とは、自分を映し出す鏡であり、必然の結果として困った状況を引き寄せているという。そのため、我が身を振り返り、内省し、心構えを変えることが厄祓いになるそうだ。
70種類の厄を網羅したメインページでは、それぞれの厄についての解釈の仕方や対処法を解説。厄の種類によっては、次のようにレクチャーしている。
引越しの厄
新しい物件を内見する際には、次のことをしましょう。
1 方位磁石の針が正しく北を指すか確認する
2 原因のわからないラップ音が起きていないか確認する。
3 部屋の写真や映像に加え、音声も撮る。
4 異臭がないかチェックする。
5 カビやコケが生えていたり、湿気を感じるかを確認する。
嫉妬の厄
次のステップで自分自身をお祓いしましょう。
1 不幸の数を数えるのはやめる。
2 どんな小さなことでもいいので幸せの数を数える。
3 幸せな人を祝福する素直な気持ちを持つ。
病の厄のページでは、この厄をさらに25種類もの厄=症状に分類して解説。それを生じさせた心の原因に気づくためのヒントや、どうすればいいかの指針を与えている。例えば、次のとおり。
腰の不調の厄
・信念を持ち、しっかり生きましょう。
・傲慢になっていませんか?
不眠の厄
・頭ばかりを使い、心をおろそかにしていませんか?
・成果主義になっていませんか?
・自分をもっと大切にしましょう。
これらと同時に紹介しているのが、「癒しのためのセルフお祓い」。自分で手軽に実践できる、シンプルなイメージングワークだ。
最終章では、厄を上手に生かし、幸せに変えていくための極意を教えている。厄とは、人生のパワーバランスをとるために訪れるものであり、自分の宿命としてのカリキュラムのようなものという。自分の魂を成長させるための課題を受け入れ、乗り越えることに大きな意義があるそうだ。
その思いは、この言葉に現れている。
「辛いこと、災いと思うことがあっても、全部意味のあることです。
厄は、自分を正すチャンス。それは、合格するまで続く追試のようなもの。
厄を受け入れると軌道修正ができます。
厄から目をそらさずに、人生にいかすぞと向き合うこと。
その繰り返しの先に、自分だけの美しい蓮華の花が咲くでしょう」
さすがは、スピリチュアル・カウンセリングのプロ中のプロ。まるで、高邁な僧侶の説法を聞いたあとのような、心がスーッと軽くなる読後感。しかも、巻末の「特製・厄祓い護符」が、力強いお守りとして背中を押してくれる。
じっくり自分に向き合って、前向きな気持ちで人生を築きたい人は、新年早々、この本で手応えあるスタートを切れるだろう。
文=星野ユリカ