子どもが朝起きられない理由、脳を育てるカギは、毎日の「散歩」と「外遊び」にある!
更新日:2018/1/17
子ども時代というのは、見聞きしたことをどんどん吸収して伸びていく、無限の可能性がある時期。脳も急速に発達します。しぐさやことば、価値観などを無理なく、楽しく身につけていくことができるので、生活環境はとても大切! そう、身近にいる大人の影響力は絶大です。
情報がなければボンヤリふつうに過ごしてしまうこの時期に、親は何をしてあげればいいのか。現代の子どもたちの生活環境と、体や心との関係を調査し、科学的な根拠から警鐘を鳴らす野井真吾先生は3つの提案をしています。
(1)昼間の光を浴びて「メラトニン」を出そう
昼間に外で活動した日は夜眠りやすくなる、というのは大人も実感したことがあるでしょう。これは、体を使って疲れているからということもありますが、実は昼間に浴びた光が、夜に眠けを誘うホルモン「メラトニン」の量を左右するからです。
特に2歳ごろまでは体内時計は不安定で、きちんとしたリズムを刻めていません。朝はスッキリ目覚めて、夜はぐっすり眠って体を休めるという体内リズムを整えていくためには、「太陽の光を浴びる」ことがとても大切です。
(2)夜間の光を浴びると寝つきにくくなる
一方で、夜の光刺激もメラトニンの分泌量に大きく影響します。眠る前に強い光を浴びると、メラトニンの分泌が抑制されることがわかってきました。子どもは光の影響を受けやすいので、リビングの照明程度の刺激でもメラトニンの分泌が減ってしまいます。つまり、寝つきにくくなってしまうのです。光刺激のなかでも、ブルーライトがメラトニンを最も抑制します。子どもを寝かしつけたかったら、寝る前のテレビやスマホは避けて、暗くしてメラトニンが出る環境にしましょう。
(3)わくわくドキドキで前頭葉を刺激しよう
「最近の保育園児や小学生は、夜より朝にメラトニンが出ている」ことが調査でわかってきています。つまり、朝になってから眠さのピークがくるから起きられない。そして、睡眠がしっかりとれていないので、午前中はボーッとするし、頑張りたくても頑張れない。そんな子どもが増えているのです。
では夜、眠るときにメラトニンを出すためには、どうしたらいいのか? 答えは、日中の散歩や外遊びです。昼間の光を浴びればいいのです。そして散歩や外遊びは前頭葉にも好影響することがわかっています。外で好きな遊びに集中して「わくわくドキドキ」すると脳が興奮し、興奮が強くなると抑制する力も強まって、課題に直面したときに頑張れる「がまんする力」も育ちます。
昼間の光を浴びることはいいことずくめ。メラトニンの分泌量を増やし、寝つきをよくし、わくわくドキドキしたできごとが前頭葉を刺激して脳を発達させます。脳と体にいい環境づくりを、今日から始めてみませんか?
ここで紹介した「散歩」と「外遊び」は、脳を育てる基本中の基本。このほか、0~3歳の脳に大事な時期にすべきことをまとめた『育脳Baby-moスペシャル』には、元大臣の竹中平蔵教授、教育評論家の尾木直樹氏、「マルトリートメント」で話題の友田明美氏など、読まずに素通りなんてできないスペシャリストからの最新情報やアドバイスが詰まっています。