100万部突破の『漫画 君たちはどう生きるか』が総合1位! 原作小説も30万部に。1月10日調べ「トーハン 週間ベストセラー」Pick UP!
更新日:2018/1/12
1月10日調べの「トーハン 週間ベストセラー」が発表されました。各ジャンルから注目の本をピックアップしてご紹介します。
総合1位には『漫画 君たちはどう生きるか』(吉野源三郎:原作、羽賀翔一: 画/マガジンハウス)がランクイン。同書の原作は1937年に児童文学者の吉野源三郎が発表、戦前の日本を舞台に、15歳の少年・コペル君が、叔父さんとの対話の中から、人間としてあるべき姿を考えていく物語です。昨年8月に漫画化された同書が発売され、幅広い年齢層から支持を得ています。売り上げを伸ばして増刷が相次ぎ、1月10日の重版で100万部に達することが発表されました。トーハンベストセラーでも10月31日調べ以降、10週連続でランクインし、そのうち7週で1位となっています。今週の総合9位には、漫画版と同時刊行された原作小説の新装版が入り、こちらも30万部に達しています。80年前の名著が、現代の人の心にも深く訴えかけています。
今週の総合ランキングには、3位『ざんねんないきもの事典』、6位『続ざんねんないきもの事典』(共に今泉忠明:監修/高橋書店)、7位『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン 公式ガイドブック』(元宮秀介&ワンナップ/オーバーラップ)、8位『かいけつゾロリのちていたんけん』(原ゆたか:作絵/ポプラ社)と、上位10位のうち、4作品が児童書ジャンルの本となりました。冬休みに親子で書店を訪れる方が多かったようですね。
文芸書1位は『西郷どん! 並製版(上・中・下)』(林真理子/KADOKAWA)。直木賞作家・林真理子さんが、西郷隆盛の波乱に満ちた生涯を描く幕末ロマンです。1月7日にスタートしたNHK大河ドラマ「西郷どん」の原作であり、ドラマの放映開始に合わせて原作も売れ行きを伸ばしました。
2位の『ふたご』(藤崎彩織/文藝春秋)は、1月16日に発表される第158回直木賞の候補作です。著者は、人気バンド「SEKAI NO OWARI」のメンバー・Saoriさん。ピアノだけが友達だった中学生の夏子が高校生の月島と出会い、“ふたご”のような関係を築き、とあるバンドを結成するまでを描く青春小説です。
最近では、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんがデビュー作『火花』で芥川賞を受賞したことが話題となりましたが、今回も芸能人の候補作に注目が集まっています。また、4位の『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子/河出書房新社)は、同日に発表となる芥川賞の候補作。主人公は74歳の桃子さん。夫を見送り、子どもとは疎遠になり、ひとり暮らしとなった今、悲しみの果てには何が見えてくるのか――。著者の若竹千佐子さんは、第54回文藝賞を史上最年長の63歳で受賞。新しい「老いの境地」を描いた作品として話題となっています。
ご紹介した本は全国の書店、またはオンライン書店「e-hon」でお求めいただけます。また、「トーハン 週間ベストセラー」はトーハンのホームページでもご確認いただけます。