いい収納の「5つの条件」とは? “生活動線に沿った収納”に見直せば、片付けも掃除もラクになる

暮らし

更新日:2018/2/13

 東京某所の賃貸アパートに住んで10年目の筆者。年月とともにモノが増え、週末に片付けたはずなのに、次の週末を迎えるころにはまた散らかり放題…。片付けにくくて悩んでいたときに出合った本が『とことん収納』(本多さおり/大和書房)です。

 本書は、整理収納コンサルタント本多さおりさんのノウハウが満載。収納の場所やサイズに合わせた整理整頓術だけでなく、家に暮らす人の“生活”を一番に考えた提案をしてくれます。

■本多さんにとっての「いい収納」とは?

・習慣に合わせて使うところにモノが置かれている
・使用頻度に合わせた配置ができている
・「ここは仕事書類」のようにグループを説明できる
・少ないアクションで取り戻せる
・掃除がしやすい

 収納の中身を整理整頓するだけでなく、「使いやすい」「掃除がしやすい」システムを作るところまでを“とことん”考えるのが本多さん流。私が一番悩んでいた、キッチン収納の具体例は目からウロコの技が凝縮されています!

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■Kさんご夫妻のキッチンを「料理をつくりたくなるキッチン」に

・before

 新婚のKさんご夫妻の悩みは使いづらいキッチン。「表面上はきれいにできても、収納の中が適当で使いにくいのが悩み」とのこと。このKさんご夫妻のキッチンが、我が家のキッチンにそっくりなのです。1人暮らし、同棲カップルのお部屋によくある形のキッチンではないでしょうか? シンク下・コンロ下の雑多感も瓜二つで、ココは私自身も本当に何とかしたいと思っている場所。

■コンロ下収納

・before

 キッチンで最も容積が大きいからこそしっかりと活かしたい場所。
毎日使う食器類を収納していたそうですが、よく使うものなのに毎回かがんで取り出すのは意外と大変なもの。

・After

 鍋やフライパンなどコンロで使う大きくて重いものを収納。出しやすいようゆとりを持たせて。動線も短く済み、使いたいときにすぐに取り出せます。フライパンはファイルボックスに立てて収納(奥さんが左利きのため左側に)。食器はシンク上の棚にまとめて収納して、腕だけ動かせば片付けられるように変更。

・Point! 開き扉の裏はゴールデンゾーン

 扉の裏に100円ショップのラックとフックを組み合わせて吊るし収納を増設!
 しゃがまなくても取れる高さで、実は一番下の引き出し収納よりもモノの出し入れがラクないい位置。2軍(たまに使う)のキッチンツールや布巾など細かいものをイン。1軍(よく使う)キッチンツールはコンロ横に出しっぱなし収納で、使用頻度によって収納場所を考えるのも使いやすさアップのポイント。

■シンク下収納

・before

 洗剤などの消耗品のストックを入れていましたが、むき出しで置いていたため何がどれくらいあるのか分かりにくい状態。

・after

 大きいスペースを活かすため、引き出しを入れて「面」を増やしました。引き出しは奥行きをしっかりと活かせるメリットも。引き出しの中にはむき出しだった消耗品と、来客用カップ&コースターをざっくりとまとめて入れています。天板にはシンクでよく使うボウル類を置いて、スペースを無駄にしません。

・Point! もちろん扉の裏を活用

 フックをつけて、排水口用の生ごみネットを設置。袋の上部を開けておけば取り替えるときにサッと引き出せます。

 このように、「使用頻度」や「生活動線」に合わせて、モノの場所を考えるのが、“片付けがラク”で使いやすい収納のポイント! 本書にはキッチンのほかにも洋服収納、子どもがいる家のリビング収納、仕事場の収納などの具体例が盛りだくさん。本多さんのご自宅の収納をどのように作ったのかを細かく解説したページもあるので、収納を見直すきっかけにはもってこいの1冊。

 本書があれば、快適な住まいづくりがはかどりそうです!

文=箕浦 梢 写真=林ひろし