菅田将暉の実父が書いた信念の子育て奮闘記! 「福山雅治ライブ」に行った菅田少年、驚きのエピソードとは?
公開日:2018/1/27
それぞれ俳優には得意技のようなものがある。例えば、菅田将暉は「父ちゃん」や「母ちゃん」。もしくは「兄ちゃん」「姉ちゃん」というセリフがとても似合う俳優なのだと思う。
『スゴー家の人々 自叙伝的 子育て奮戦記』(トランスワールドジャパン)は菅田の父で自己啓発セミナーなどを開催する経営者・菅生新が記した自叙伝兼子育て奮闘記だ。机や参考書が買えなかった少年時代。大部屋俳優のアルバイトをしていた大学時代。一流会社に入社した後の独立。結婚。妻の自然分娩。仮面ライダーになった息子など、今に至るまでのエピソードを赤裸々に綴っている。
本書によると、少年時代の菅田(本名は菅生大将)は福山雅治のコンサートに行ったとき、こんな感想を漏らしたという。
「福山さん、すごく気持ちよさそうだった」
父の新はこの言葉に引っかかった。「カッコよかった」でもなく「感動した」でもなかった。菅田は福山のパフォーマンスを観客として享受したわけではなく、ステージに立つ福山側からの目線でライブを観ていたのだ。
「大将は将来ステージに立つのではないか」
そう思った父の新は菅田を映画や演劇などに誘うようになり、菅田自身も自然と芸能の道に興味を持つようになる。
子どもをじっくりと観察し、好きなことを好きにやらせて、のびのびと育てる。言葉では簡単に言えるが、実際に自分の子どもを前にすると、簡単にできるものではない。それでも母の好身さんの場合は子どもに正面からぶつかっていった。
「遊びの時間を大切にしていました。やりたいことをさせてやれば脳が刺激を受けて豊かな感情を育むから」
好身さんは子どもと公園に行っても「危ない」「触らないで」「ダメ」という言葉はかけずに一緒に遊んだという。
菅田は家族の愛情を一身に受けてのびのびと育った。だからこそ、菅田は「父ちゃん」「母ちゃん」というセリフが似合う俳優になったのではないだろうか。
ただ、子育てには答えがない。家族によって、それぞれの事情があり、それぞれの育て方がある。“スゴー家”の育児はあくまで参考例の一つに過ぎないが、本書からは幾多のことを学ぶことができる。
文=梶原だもの