うちの子にかぎって…では甘い! 子どもをネットトラブルに遭わせないためには?
公開日:2018/2/1
いきなりだが、あなたは次のうち、当てはまるものがあるだろうか。
□ネットのことはよく分からないから、子どもに任せている。
□うちの子は真面目だから、ネットのトラブルとは無縁だと思う。
□ネットで何かしでかしても、いずれ忘れてもらえると思う。
□自分のIDとパスワードを子どもに教えている。
『ある日突然、普通のママが子どものネットトラブルに青ざめる 知らないと意外にコワいネットとスマホの落とし穴』(長谷川陽子/アイエス・エヌ)によると、これらは全て誤った認識。親がこれらのような認識を持っているとしたら、子どもがネットトラブルに遭う可能性が高いという。
親は子どものネット利用状況について「分からない」「任せている」、または使い方などを「伝えている」という言葉を用いるのは禁物だという。
「分からない」は、親の逃げであるということに。
「任せている」は、子どもの実態をよく分かっていないのと同じだということに。
「伝えている」は、親が伝えたつもりになっているだけだということに。
子どもがネットトラブルに遭わないために、まずは親が子どものネット利用状況を把握することが重要であり、それが親として子どもと向き合う勇気だ、と本書は述べる。
本書は、子どもが遭うさまざまなネットトラブルのケースが掲載されている。例えば、オンラインRPGゲームをしているわが子のキャラクターが、買ったはずのアイテムを失っていたり、買ったことがないはずの武器を持っていたりすることが頻発し、わが子から相談を受けた親が「乗っ取りかもしれない」と警察に連絡。見つかった犯人は、わが子と同じクラスの友達。その友達が家へ遊びに来たときに、わが子から聞き出したIDとパスワードで自分のゲーム機からログインしていたのだという。これは、不正アクセス禁止法違反となる。この他にも、親のIDとパスワードを使ってネットオークションを利用する、親のLINEで成り代わってトークするなども、不正アクセス禁止法違反となるケースだ。親の把握不足で知らず知らずのうちに子どもを犯罪者にしてしまう可能性がある。
子どもを信頼して、できるだけ伸び伸びと育てたいと考える親の中には、「子どもを把握することは、子どもへの干渉ではないか?」と躊躇する人がいるかもしれない。子どもは干渉を嫌がる。親が把握しようとすればするほど、親に隠れてネットに繋がりたがるかもしれない。
「監視」では子どもをトラブルから守り切れない。そこで本書が提案するのは「ペアレンタルコントロール」。
子どもを厳しく見張るのではなく、子どもが正しい道に進めるように導いてあげること、つまり、ネットの使い方を「監視」ではなく、どう使うかをいっしょに考えて決める「管理」が、私が提唱する「ペアレンタルコントロール」です。
ネットの使い方やルールを親子で話し合うことは、わが子を「自分で考え、決め、実行できる」人に育てるチャンスでもある、と本書は考えている。
文=ルートつつみ