家計の“理想体型”って?「隠れ貧乏」から「貯蓄体質」へ!
更新日:2018/2/26
毎朝コーヒーショップで一杯のラテを飲んで職場に向う。よくある出勤風景ですが、1回あたりのコストが小さいからと習慣的に使ってしまうこうした出費を経済学では「ラテ・マネー」と呼び、ムダ遣いの典型とされています。
『1日500円の小さな習慣 「隠れ貧乏」から「貯蓄体質」へ大変身!』(横山光昭/幻冬舎)は、家計再生コンサルタントを営む著者が、ムダ遣いを改め、普通に暮らしながら毎日500円ずつ貯蓄する家計術を伝授しています。
誰もが抱えるお金の悩み。一般的なサラリーマンの私たちは「お金が貯まらないのは景気が悪く、給料が低いせいだ」と思いがちですが、年収300万円の世帯でも工夫次第で年間100万円も貯金できるといいます。
毎日のようにお金が貯まる家計術とは、いったいどんなものなのでしょうか。
■金欠の原因は「家族愛」
お金に困る人というのは、ギャンブルや贅沢好きで借金の多い浪費家というイメージですが、著者のもとを訪れる相談者のほとんどは真面目に働いている人で、その原因は生活費の使いすぎなのだとか。
例えば、保険料です。自分に万が一のことがあっても妻や子供が生活で困らないようにと生命保険の保障を積み上げ、高額な保険料の支払いで逆に生活を圧迫しているのです。一方、妻は家族の健康に気をつかい、無農薬野菜や添加物ゼロ、グルテンフリーなど素材の質や銘柄にこだわるあまりに食費をかけすぎているケースが多いといいます。
他の家と比べないと気づかない「このぐらい普通」という心理が、食費、光熱費、通信費、保険料、教育費といった生活費にムダ遣いをぜい肉のようにつけて、「メタボ家計」になってしまうと訴えています。
■家計のスリーサイズ「消費、浪費、投資」
家計の理想体型は「消費70%、浪費5%、投資25%」です。消費とは、生活するために必要な食費、水道光熱費、日用費、医療費、交通費などに使うお金です。浪費は、お酒やタバコなどの嗜好品や遊びに費やすお金です。投資は、教育費や資格勉強などのスキルアップや、資産運用などの将来につながるお金です。
月給20万円の人であれば、消費は14万円まで、浪費は1万円まで、投資は5万円までが上限となります。自分の今の収入に当てはめて出費を理想体型に近づけていくことで自然とお金が貯まる体質に改善するといいます。
■攻めの資産活用がカギ
家計のムダ遣いを削る方法以外にも、消費を抑える方法や資産運用の方法をいくつか紹介しています。
税金が高いと感じる人にオススメしているのが、「ふるさと納税」です。地方自治体への寄附額のうち2000円を超える部分は所得税や住民税から控除を受けられます。特産品も受け取れ、家計にメリットもあります。
初心者にはハードルが高い株式投資も、いまはネット証券会社で月100円からコツコツ始められます。月3000円程度であればリスクの低い「バランス型投資信託」が最適といいます。
その他にも、お金を貯めるべき時期、子供の養育費にかける割合、老後への貯蓄など、お金にまつわる人生プラン全般をレクチャーしてくれています。お金の悩みは、なかなか他人に相談しにくいもの。これから就職や結婚、出産など人生の節目を迎えるという方に読んでほしい1冊です。
文=愛咲優詩