「コミュニケーション断食」で気づく隠れたストレス。“断食明け”には今より少し優しくなれるかも!?
公開日:2018/2/8
一人で過ごす時間の大切さと、それを楽しめる「孤独力」が話題になっているそうです。交友関係が広いことに価値があると感じる人や友人が少ないことに焦りを感じる人が多い中で、孤独力が見直されてきているのはいい傾向だと思います。
■コミュニケーション研究家が語る「コミュニケーション断食」の効能
コミュニケーションに関する研究を調査整理し、日頃からコミュニケーションの重要性を発信している筆者ですが、あえて周囲との接触を減らす時間も必要だと考えています。
どちらかというと自分はコミュニケーション過多になりがちなタイプだという自覚をしているので、携帯やメールなども繋がらない状態にして都内のホテルに籠る「コミュニケーション断食」を時々おこなっています。
筆者が感じたコミュニケーション断食の効能は以下のとおり。
1. 市場の欺瞞的説得と距離をおける
あなたがいま価値を感じているライフスタイルやブランドは、心から欲しているものでしょうか? 巧妙なマーケティングコミュニケーションによって構築されたものではないと言えますか?
2. 家族や友人たちの同調圧力抜きで自分らしい幸せを考えられる
知らず知らずのうちに家族や友人が口にする“幸せ”を求めていませんか? その“幸せ”はあなたにとって本当に幸せなことでしょうか?
3. 大事な人の存在を確認できる
コミュニケーション断食をしたとき、話をしたくなる人の顔が浮かびますか? その人を普段から大事にすることができていますか?
4. 先延ばしにしていた大事なことを考える時間が持てる
いつかじっくり考えなくてはいけないことを先に延ばしにしていませんか? どうにかなるだろうと成りゆきまかせにしていませんか?
5. コミュニケーションの大切さに気づく
普段なにかと声をかけてもらっていることをあたりまえだと思っていませんか? なにげない交流が支えになっていることを感じていますか?
■隠れたストレス、自分らしい幸せに気づく精神のデトックス
筆者は数年前から誕生日の前後にコミュニケーション断食をしています。まずはSNSなどで誕生日を公開するのをストップ。表面的な「おめでとうコメント」問題から解放されるのは気持ちのいい体験でした。
ありがたいけれど申し訳ないような気持ちになってしまう誕生パーティーも減らせたので、産んでもらった感謝の気持ちを噛みしめる日にしています。おのずと新しい一年について考えるようになるので、なかなかいい習慣だと思っています。
SNSについては「やめてしまえばいい」という声もありますが、そこまでする必要はありません。コミュニケーションの手段として最も多いのは「対面」で57.1%。LINEなどメッセージアプリの13.9%、Facebookやtwitterなどの2.9%(総務省調べ「日常的なおしゃべり」をする際の手段から)と比べてもダントツに多いので、SNSをきっぱりやめるより数日のコミュニケーション断食のほうが効果を感じられるはずです。
経営者やスポーツ選手などでも、コミュニケーション断食を取り入れている人は多いそうです。意思決定を能動的にしている人は、意識せずとも、自然にそういった時間を作るようになるのかもしれません。
サービス精神が旺盛で周囲に気を遣いがちな人は、楽しいおしゃべりさえもストレスを溜める要因になっていることがあります。隠れたストレスに気づくためにも、自分らしい幸せに気づくためにも、今ある幸せを感じる力を高めるためにも、コミュニケーション断食は試す価値あり。精神的なデトックス効果を得られます。断食明けには、今より少しあたたかいコミュニケーションがとれるようになるはずです。
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文=citrus コミュニケーション研究家・藤田尚弓