妹を救うため「1日1人」誰かを殺さなければいけない……『虐殺ハッピーエンド』が話題

マンガ

更新日:2018/3/7

『虐殺ハッピーエンド』(宮月新:原作、向浦宏和:作画/白泉社)

 現在、白泉社が運営するマンガアプリ「マンガPark」にて連載中で、その衝撃的な内容から大きな話題を集めている作品がある。『虐殺ハッピーエンド』(宮月新:原作、向浦宏和:作画/白泉社)。本作は、愛する妹のために、1日1人の人間を殺さなければならなくなった高校生の姿を描いた、ショッキングなサスペンスだ。

 主人公の草壁真琴は重病の妹・詩織の治療費を稼ぐために、日夜アルバイトに明け暮れている。詩織は移植手術を施さなければ、余命2カ月の命。なんとしてでも妹を助けたい真琴は、絶望的な状況にもめげず明るく振る舞い、コツコツとお金を貯めることに専念しているのだ。

 そんな純愛ストーリーに色を添えるのは、「タイムリープ」という設定。あることがきっかけで、真琴と詩織は時間の流れから取り残されてしまう。同じ日を繰り返す二人。けれど、詩織の病状だけは確実に進行していく。このままでは、詩織は治療を受けられないまま死んでしまう。

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 そんなタイムリープの輪から抜け出すために必要なこと。それが「憎むべき人間を殺すこと」だ。それに気がついた真琴は、着実に時計の針を進めるため、1日1人誰かを殺すことを決意する。人を殺せば明日を迎えることができる。殺さなければ、また同じ朝を迎える。一進一退の日々の中で、真琴は犯罪に手を染めていくのだが……。

 万が一、警察に犯行を嗅ぎつけられてしまったら、任意で日付を巻き戻し、殺害現場の証拠を隠滅すればいい。そうすれば、何人でも人を殺すことができる。そう、真琴には警察の動きを知った上での完全犯罪が可能なのだ。

 ところが、生じてしまう綻び。第1巻のラストでは、不審な動きを見せる真琴の元に、警察が事情聴取にやって来てしまう。果たして、真琴の犯行はバレてしまうのか。そうなってしまった時、詩織の命はどうなってしまうのか。

 2018年1月29日(月)に発売された第2巻では、真琴の犯行を知る人物が登場。その人物は真琴の敵か、味方か…。大切な妹のためにその手を血に染め続ける真琴の運命を、ぜひ確かめてみてもらいたい。

文=五十嵐 大