いつもより、ちょっとだけ贅沢に! 和食のプロが教える“贅沢和食”【作ってみた】
更新日:2018/3/5

たまに、「今日はちょっとだけ贅沢してしまおう」と思って、少しお高めの食材を買ったり、おいしいものを食べに行ったりする。なじみ深い普段の味も好きだが、やっぱり特別感のある食事は楽しいものだ。しかし高い食材を買って帰っても、家で作るとなるといつも似たような調理法になりがちだ。たまには何か…と思っていたところに、『美食家のための贅沢和食 大人気割烹が教える3ステップ極上レシピ』(原正太郎/扶桑社)という本を発見した。
本書は、食通が通う小さな和食店「はらまさ」の店主・原正太郎が、“家庭でも楽しめそうな驚きのあるもの”として提案しているレシピ集。普段なかなか買わないような贅沢な食材が、プロの手によって見事に調理されている。これはぜひとも【作ってみた】をやるしかない! 比較的手に入りやすいけど普段よりちょっと豪華!というものを中心に作ってみた。


■「鯛茶漬け」(P.20~P.23)

まずは、「鯛茶漬け」。刺身用の鯛をそぎ切りにし、ごまだれを絡めて5分ほど置く。大葉はちぎっておく。あとはお茶碗にご飯をよそい、漬け込んだ鯛をのせれば完成! 最初はそのまま、進んだらひと煮立ちさせた出汁をかけ、大葉、生青海苔、わさびをのせて混ぜながら食べる。
筆者は大のお刺身好きなので、鯛はそのままお刺身として食べてしまうことが多い。しかしそこを我慢してごまだれに漬け、お店で食べるようなお茶漬けにしてみると、特別感が増す。これはたしかに「贅沢和食」だ……! ごまだれに漬けた鯛とご飯の相性がいいのはもちろんのこと、鯛の出汁と大葉、生青海苔の香りを含んだお茶漬けが体に染みわたる。
■「カマンベール焼きなす」(P.64、P.66)

続いて、「カマンベール焼きなす」。ナスは丸ごとグリルでこんがり焼き、皮をむいて食べやすいサイズに切る。オクラは茹でておく。カマンベールは大きめの一口大に切り、薄力粉をまぶしてフライパンでさっと焼き、ナス、薄口醤油、みりん、塩で味付けする。あとは刻み海苔、オクラとともに器に盛れば完成!
カマンベールは、そのまま食べるかベーコンなどと洋風に食べることが多いのだが、甘辛い和の味付けも驚くほど合う。とろっとした焼きナスの甘みと合わさることで、どんどん食べてしまう。これは比較的手が出しやすい価格で作れるので、ぜひとも定番にしたい!
■「とろカツ」(P.69、P.71)

最後は「とろカツ」。刺身用のまぐろ(中トロ)に軽く塩をふり、薄力粉、溶き卵、パン粉の順につけて180度の油で30秒揚げる。甘長唐辛子は素揚げにする。あとはとろカツを切り、すだちとともに器に盛りつければ完成。今回は、入手できなかった甘長唐辛子はししとうで、すだちはライムで代用した。
1人暮らしを始めてから初めて中トロのさくを買うようになったが、さらにそれをカツにするという贅沢さ。サクッとした衣に包まれた中トロは、揚げることで脂が程よく溶け、とろっと甘みが増す。それなりの値段がするのでしょっちゅうは手が出せないが、それでも外食することを考えると大差ないので、自炊のすばらしさを改めて感じる。
どの料理も、贅沢な食材をさらに昇華させた、思わず頬がゆるんでしまうおいしさ。また、本書にはお高い食材のレシピだけではなく、普段使いの食材を使用してお店の味を再現できるレシピも掲載されている。たまにの贅沢を家で、と思った時に、『美食家のための贅沢和食 大人気割烹が教える3ステップ極上レシピ』があるとぐっと夢が膨らむ。次の休みは、ちょっとだけ奮発して、本書から一品作ってみては?
調理・文=月乃雫

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