5秒でできる「社内で味方を増やす方法」できるビジネスパーソンは社内営業をやっている?
公開日:2018/2/20
「社内営業とか、ムリムリ。仕事は真面目にやってれば評価されるんだ!」と抵抗感を持っている方も多いのではないだろうか。確かに「社内営業」には「ごますり」「媚び」といったマイナスのイメージがある。
だが、『上司・同僚・部下を味方につける 社内営業の教科書』(高城幸司/東洋経済新報社)の「社内営業」はそういう意味ではない。「上司、同僚、部下を味方につけ、仕事の成果を大きくしたり、望む仕事・ポジションを手に入れること」だという。
「味方につけるメリット」は具体的に……、
・自発的に仕事に役立つ有益な情報を教えてくれたり有力者を紹介してくれる。
・業務命令ではない仕事でも喜んで協力してくれる。
・やりたい仕事、就きたいポジションに抜擢される。
という、いいこと尽くしなのだ。
「社内営業」は「悪」でも「恥ずかしい」ことでもない。できるビジネスパーソンなら、――無意識かもしれないが、誰でも実践している「テクニック」なのである。
著者はリクルートに在籍していた際、「伝説のトップセールスマン」と呼ばれ、営業の指南書を数多く執筆してきた経験の持ち主。そんな著者の「社内営業は大切」という言葉は、重みが違うのではないだろうか。
一方、「やりたいけど自分は不器用だし、うまくできる気がしない」という方もいるはず。だが、「社内営業」は難しいことではないという。「たった5秒の『たわいない話』」から、味方を増やすことができるのだ。
誰かに味方になってもらうためにはまず、その人とコミュニケーションをとることが一番大切である。コミュニケーションは「質」より「量」。「とにかく接触機会とコミュニケーションの量を増やす」こと。接点が少ないけれど味方にしたい「意中の人」を見かけたら、「絶対に声をかける」という意識を持つだけでも違うとか。
注意点は「雑談をすること」。価値のある話や真面目な仕事の話は「してはいけない」。相手の立場になってみると、顔を合わすたびに重たい話をされて「あの人につかまると時間を取られる」という悪印象を与えてしまいかねないからだ。
「今日は暑いですね」「昨日から、あそこのビルの工事が始まりましたね」など、「たわいのない話」を「何度も」行うことが大切だという。
ちなみに、話下手なら「話そう」とせず、「元気?」「お昼どこで食べたの?」など、相手の話を「聞く」だけでもいい。話が膨らむネタは相手の「マイブーム」と「悩みの種」がいいそうなので、そういった話題を引き出すのもOK。
また、「社内イベント」を味方作りの場に活用するのも有効な手の一つ。
幹事になれば「会社の用事として、堂々と他部署の人とコミュニケーションが取れ」、多くの人に顔を知ってもらうことができる。
「めんどくさい」「早く終われよ……」とマイナスに向き合うより、「社内営業」の絶好のチャンスとしてとらえた方が断然「お得」ではないだろうか。
本記事でご紹介したのは、本書のほんの「導入」に過ぎない。
頻繁に会話をして顔見知りになった「味方」が、「喜んで業務とは関係ない自分の仕事に協力」してくれる「お願い」の技術や、影響力の強いキーマンを味方につける方法、自分を上手に売り込む「パーソナルブランディング」などなど、「社内営業」の押さえておくべきポイント、注意点がより詳細に載っているので、大いに活用してほしい。
最後に一つ、「社内営業」の最大のメリットは「人間関係が良好になり、会社で働くことが楽しくなる」ことだという。出世に興味がなくとも、会社で働くのが面白くないなら、一読の価値はあるはずだ。
文=雨野裾