少しエッチで少し切ない…2人の人気クリエイターが放つ! 『どうにかなりそう』『ずっと一緒にいられない』
公開日:2018/2/17
ピュアな恋心を描く物語はたくさんあるけれど、少しだけエッチで切ない作品に浸りたい夜、ありませんか? そんな人肌恋しい夜にオススメの作品集が、何やら続々と登場しているようです。ここで、適度にエッチで切なさが漂う2つの作品をご紹介します。
■好きな人と“秘め事”を共有したい『どうにかなりそう』
Webメディア・マトグロッソで連載されていた漫画『どうにかなりそう』(岡藤真依/イースト・プレス)。同作は、思春期の少年少女の“恋と性”をやさしいタッチで描いた群像劇です。
美術部員の鈴木君に“絵のモデルになってほしい”と頼まれた二宮さん、2人が美術室で過ごした“耽美”な時間を描く「文学少女」や、野球部のエースに恋心を抱きながら、想いを伝えることができずにデッサン用の石膏に彼を重ねてキスをする少女を描いた「届かぬ想い」など、序章を含む全11話が掲載されています。
登場人物たちが抱えるもどかしい感情がオムニバスで描かれているのですが、ご参考までに第一話の「放課後」から、積極的な女子生徒に押され気味な男子生徒の会話を一部抜粋しました。
女「今日特別授業があったやん」
男「うん」
女「性教育の授業やってん そんで出産シーンの映像見てな うち、初めて女の人のあそこみてな…凄かってん」
女「うちにもあんなもんがついてるんやと思ったら怖くて… でも確かめたくて だから代わりに見てくれん? うちのあそこ」
男「お前何言っとう?」
女「いや?」
男「いやとかそういうんやなくて……おかしいやろ」
女「怖い? うちも怖いねん けど誠君に見てもらいたいねん!」
ストレートでありながらエロティックな描写……! 2人の会話から「好き」という気持ちだけでなく“秘め事”を共有したいという、ほのかな願いを垣間見ることができます。青春と性春のはざまを楽しめる一冊。
■“関係”は絶えず変化する『ずっと一緒にいられない』
繊細なタッチで男女の機微を描くイラストレーター・たなかみさきさん。彼女がイラストを中心に投稿している、彼女のInstagramのフォロワーは26万人を超え、ファッション誌や書籍の表紙を飾るなど、今注目のイラストレーターのひとりです。そんなたなかさん初の作品集『ずっと一緒にいられない』(PARCO出版)が発売。
同書では、ある一組のカップルの日常がイラストとテキストによって切り取られています。
ベッドでじゃれ合う姿や、頬を赤らめながらひとつの桃をかじる2人、彼女が着たぶかぶかなキャミソールから覗く無防備な乳房……。2人の穏やかな生活を丁寧かつエロティックに描きつつ、気持ちのすれ違いを短いテキストで表す、独特な“余白”が染みるイラスト集です。
『どうにかなりそう』が10代の性春ならば、『ずっと一緒にいられない』は、ちょっとオトナな性春。どちらも少しだけ“イケない気持ち”に浸れる、魅力的な作品です。
文=マルイカナコ(清談社)