空の上でいただく「世界のごちそう図鑑」 極上の一品から個性派ワンプレートまで
公開日:2018/2/18
旅のわくわく気分を盛り上げてくれる機内食。美味しそうな機内食の写真が満載の楽しい1冊、『みんなの機内食 天空のレストランへようこそ!』(機内食ドットコム/翔泳社)。「機内食ドットコム」とは、世界中の機内食の写真と口コミを集めたウェブサイトです。
機内食が大好きな「みんな」が撮った写真は、機内食を目の前にした興奮と、今からいただきます!というわくわく感が溢れています。日本・東アジア、東南アジア・西アジア、北米・オセアニア、ヨーロッパ、南米・アフリカのエアライン別に、ファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラス、またLCCの購入機内食まで掲載。ファーストクラスの「最高峰の晩餐」は一流レストランさながらの豪華さです。
エアインディアのカレーにインド米、上海航空の魯肉飯の(ルーローハン)と煮玉子。オ―ストリア航空のウインナーシュニッツェルのように、到着前からウィーン気分になるような名物料理もあります。その国ならではの機内食があり、お国柄が反映されている機内食。乗ることはないかも知れないと思いながらLAN航空(ブエノスアイレス~リマ)の軽食を眺めるのも楽しいものですね。
本書はほとんど機内食の写真ですが、航空カメラマンが教えるフォトジェニックな機内食の撮り方や、JAL機内食工場の取材、エミレ―ツ航空ファーストクラス搭乗記などの書き下ろしコラムも楽しめます。また、ローファットミール、ヴィーガンミール、ムスリムミールなど、気になる特別食の写真も見ることができます。
機内食好きな「みんな」に影響されて、私もあらためて「機内食」について考えてみました。私にとって機内食の魅力とは、トレイの美です。テーブルを一瞬で賑わすトレイにはフルコースが配置されています。実用性が高く整理整頓が行きとどき、まったく無駄なスペースがありません。食事が終わると魔法のようにすべてテーブルからなくなるのも、グリム童話にあったお話のようで楽しいのです。
有名シェフとのコラボなど各社工夫を凝らした機内食は、今や航空会社を選択するうえでも大きなポイントとなっているそうです。メニューはもちろん盛り付け方、食器、カトラリー、ナプキンなどにもお国柄や個性が見られる機内食の世界って、眺めれば眺めるほど発見があり、実はとても奥が深い! パラパラ見ているだけでも世界旅行気分を味わえる楽しい1冊です。
文=泉ゆりこ