スウェーデン人から見ると日本人は“両極端”すぎる!?  日本再発見コミックエッセイ最新刊

マンガ

更新日:2018/3/12

『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』(オーサ・イェークストロム/KADOKAWA)

 日本では「当然」だけど、海外から見たら「不思議」なことを、コミックエッセイとして描いた大人気作『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』(オーサ・イェークストロム/KADOKAWA)の最新刊が2月22日(木)に電子書籍が配信された。

 著者のオーサさんは、日本に憧れて来日し、現在東京で暮らしているスウェーデン人マンガ家。
 彼女の日本での生活で感じた「不思議」や「驚き」が、可愛らしい絵柄と共に描かれている本作の、ワールドワイドな視点で語られる日本の文化や「なにげない日常の疑問」は、多くの読者の心を掴んでいる。

 最新4巻では、住んでいたシェアハウスから突如引っ越しを余儀なくされて、新しいハウスメイトとの新生活が始まったり、日本文化を探るため、千葉やうさぎ島など様々な場所に訪れたり、ガングロカフェや剣道などの日本文化に接してみたりと、変わらずオーサさんの「日本探訪」が語られている。

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 さらに今巻では、オーサさんの故郷であるスウェーデンに、ハウスメイトの陽子さんが訪れるという「日本女子・陽子が見つけたスウェーデンの不思議」も掲載。半分は日本、半分はスウェーデンの文化……と、既刊の中でも、特に内容が濃い一冊ではないだろうか?

 それでは、本作の中で特に興味深かった個人的ベスト3のお話をご紹介しよう!

第3位「声の出し方」

 剣道を体験したオーサさん。剣道にはアニメの影響でカッコいいイメージがあったそうだが、攻撃をする時に叫ぶ「面(めーん!)」が難しかったという。

 というのも、「6年間周りの日本人の真似をしたから声が変化している」らしく、元々「声は低め、音量は大きめ」だったのを、日本人風に「声を高く、小さめに。女性っぽく優しく」しゃべるクセがついていたようだ。「その国の文化は声の出し方にも絶対に影響がありますよ!」とのこと。言われてみれば、日本人女性は声の高い人が多いかもしれない……。

第2位「スウェーデンの文化」

 スウェーデンの8月はザリガニの季節で、よくザリガニパーティーをするとか。

 日本ではあまり口にすることはないが、スウェーデンではスーパーでも売っている一般的な食料。それほど高級ではなく、エビとロブスターの真ん中という位置づけらしい。

 また、民族的な個性としては「公平性」を特に重視する傾向が強いという。長い間、社会民主主義国家だったからか、「みんなが同じ価値観、みんなが平等」という考え方が強くなったのでは、ということだ。

 なので「割り勘」の時も1円単位でキッチリ。クッキーが1枚余り、その場に6人いるとしたら、1枚を6等分して食べるほど。

第1位「両極端な日本」

 日本のデザインは極端だと感じるそう。
 日本酒のラベルや伝統的なお菓子、高級品はシンプルで美しいものが多いけれど、雑誌や広告、安い食品のパッケージなどはイラストも文字も多い。「このスペースに、こんなに文字が入るなんて謎……」と思ったり。

 極端さはデザインだけではなく、日本社会全体にも感じる印象だという。

 サラリーマンはものすごく働く一方で、ハメを外して遊んだりする。にぎやかな繁華街も、15分離れるとスウェーデンより静か……など、あまり「中間」がないように感じるそうだ。

 以上、個人的ベスト3でした。

 日本を再発見したり、海外の文化に驚いたりしながら楽しく読める本作の魅力は、まだまだたくさんあるので、ぜひお手に取ってほしい。なんだか私はスウェーデンに行ってみたくなりました。

文=雨野裾

『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』
著:オーサ・イェークストロム
出版社:KADOKAWA