残業を減らすには“割り込み仕事”を予測せよ! ビジネスマンのための最強仕事術
公開日:2018/2/23
抱えている仕事を「緊急かつ重要」「重要だが緊急ではない」「重要ではないが緊急」「緊急でも重要でもない」という4象限に割り振り、「緊急かつ重要」な仕事から処理していく。一度は聞いたことのある方法論ではないだろうか。実際にこれを実践できている人も、割合多いように見受けられる。しかし、この方法をマスターしたところで、本当に仕事の残業はなくなるのだろうか?
『スピードと成果が劇的に上がる戦略 最強の優先順位』(美崎栄一郎/かんき出版)という本の中で、著者は、上記の方法論に沿って仕事をしても上手くいくことはないと断言する。
「大事なことを最優先すればいい。基本原則はこれで間違いありません。でも、現実の世界では、割り込み仕事が入るのです」
花王社員時代、残業100時間から「12時出社・5時退社」を実現した著者は、現場のほとんどのビジネスパーソンは、“正しい”優先順位をつけられていないと説く。なぜ「緊急度と重要度」だけでは優先順位が狂ってしまうのか。その原因を著者は6つ挙げている。
1.割り込み仕事が入ってしまうから
2.邪魔が入って集中力が途切れてしまうから
3.つい、ほかの仕事に手をつけてしまうから
4.感情が揺さぶられるから
5.もっといい結論があると思い、決断を保留しているから
6.使えるリソース(時間、お金、人など)が不足しているから
本書はまず第1章で、なぜ上の6つの要素が仕事の優先順位を狂わせるのかということについて考察し、その先で、それらを解決するための著者流のノウハウを解説している。
■割り込み仕事が入ることは避けられない
上記の優先順位を狂わす要因のうち1番目、「割り込み仕事」に関して。「作業中に上司から雑用を頼まれた」「顧客からの急な要望に対応しなければならなくなった」などなど、割り込み仕事は仕事の優先順位を狂わす最大の原因であり、またこれを無くすことは不可能であると著者は指摘する。そうかと言って、取引先や上司、部下からの依頼を全て断っていたら人間関係が崩壊してしまう。こう考えると、「割り込み仕事」はどうしようもないことのように思えてしまうが、ダメージを最小限に抑える方法はあるのだという。
割り込み仕事を俯瞰してみると、ある程度予測することが可能なのだ。そうやって、上司や取引先が仕事を振ってくるタイミングを把握しておけば、スケジュールが狂うダメージを抑えられるのだという。著者は実体験を以下のように述べている。
たとえば、私が以前勤務していた化学メーカーの花王では、大きな会議の後に上司から仕事を振られることがよくありました。
会議でなんらかのプロジェクトが決定し、担当者として指名されたり、細かい準備などの雑用を依頼されることがたびたびあったからです。
このことに気づいてからは、たとえ自分が出席する会議ではなくても、大きな会議の日程を調べ、その前に片づけられる仕事は処理しておくようにしました。
意識の向け方に創意工夫を加えることで、避けることのできないダメージも軽減するのだ。
本書には、上記のような「優先順位」に関する根本的な知識や、それを守るための技術が多く収録されている。「働き方改革」が叫ばれる今日この頃。残業でストレスを感じている人は、本書を手に取ってみてはいかがだろうか。
文=K(稲)