腰痛や肩こりの原因は、なんと姿勢! 筋膜リリースで痛み知らずの正しい姿勢に
更新日:2021/2/2
パソコンやスマートフォンに向かう時間の多い現在、慢性的な肩こりや腰痛、頭痛などに悩んでいる方は多いのではないだろうか。その悩みを 「正しい姿勢」を 手に入れることから解決する方法を 教えてくれるのが、『疲れない体になるには筋膜をほぐしなさい』(竹井仁/誠文堂新光社)だ。
医学博士、理学療法士である竹井仁氏は『世界一受けたい授業』『ためしてガッテン』などテレビ番組にも数々出演。肩こりや腰痛を解消する方法を紹介し大きな反響を呼んだ。本書では、座ったままでもできる上半身メインのセルフケアも含め、自宅で簡単に取り組むことができる簡単なエクササイズなどを 解説している。
■全身バランスを整えると、姿勢が美しくなる
竹井氏の治療法の大きな特徴は、肩こりや腰痛、頭痛など、体の不調の原因が「姿勢の悪さ」にあるとしていることだ。
小さい頃からの体のクセや日々の生活のなかでの動きのクセなどによって、関節の位置が狂ったり 、筋肉や筋膜のバランスが乱れたりすることによる「不良姿勢」が作られる。そして、不良姿勢のまま生活や運動を続けることによって、体の特定の部位に負荷がかかり、肩こりや腰痛を生んでしまうのだ。
猫背、巻き込み肩、ストレートネック、いかり肩、なで肩など、不良姿勢はさまざまだが安心してもらいたい。これらの不良姿勢は、「毎日の生活のなかで行う、正しい医学的理論に裏付けられた方法」で治す ことができるからだ。そして、もうひとつ見逃せないのは、腰や肩など、体の特定の部位だけを治しても根本的な解決にはつながらないこと。体全体のバランス調整をすることが大切になるのだ。
体全体のバランスを調整するために行うのが「筋膜リリース」だ。
きわめて簡単に説明すると、筋膜というのは“筋肉を包む膜”のこと。筋肉は頭からつま先まで全身に広がっているので、それを包む筋膜も全身を三次元的に連結するように広がり、「第二の骨格」とも呼ばれている。この筋膜をほぐす(リリースする)ことで、筋力を復活させたり 、柔軟性を高めたり 、運動パフォーマンスを向上させたりすることが可能になり、肩こりや腰痛とは無縁の「正しい姿勢」が身につくのだ。
本書では第1章で「全身のセルフ筋膜リリース」の方法を解説。縦方向、横方向、斜め方向に全身の筋膜をリリースするための運動を、イラスト付きでわかりやすく紹介している。
一見、ストレッチングと似ているが、ストレッチングがひとつの筋肉を一方向に30~60秒ほど伸ばす運動なのに対して、筋膜リリースは縦・横・斜めに走る筋膜のコラーゲン繊維を、ゆっくり時間をかけて、さまざまな方向にほぐす運動だという違いがある。
20~30秒程度から始め、90秒以上できるようになるのが目標。動き方自体はシンプルなので、誰もが無理なく取り組むことができるだろう。家庭や職場などで、ちょっとした時間に 行うことができ、体の変化をすぐに感じられるのもうれしいところだろう。2週間続けて行うことで、よい姿勢で自然に過ごすことができるようになるという。
■30秒の筋膜リリースで猫背、肩こりをすっきり解消!
全身の筋膜をセルフリリースする方法を身につけたら、猫背や肩こりなど特定の部位が痛むのを治す 筋膜リリースへ。猫背を気にしている方は少なくないはずだが、その解消法も簡単だ。
・バンザイ筋膜リリース
・肘つけ四つ這いお尻引き筋膜リリース
・腕の押し、 引き、回し筋膜リリース
いずれも胸の前の筋膜をリリースするためのエクササイズ。
それぞれ30秒以上(目標は90秒以上)のリリースを3回行うだけで、巻き込み肩やストレートネック、肩こりや首こりなど、さまざまな不調要素と結びつきやすい猫背を解消していくことが可能になるという。
筋膜リリースは、 巻き込み肩、ストレートネック、肩こり、首こりの解消法のほか、バストアップのエクササイズや二の腕をすっきりさせる方法など、女性なら誰でも気になる部分にまで及んでいる。
肩こりや猫背などに悩んでいる方はもちろん、はっと見惚れてしまうような美しい立ち姿を手に入れたい方にも、ぜひ読んでもらいたい一冊だ。
文=井上淳