ゴミ収集車、ダンゴ虫が天才を生む!? 子どもが目を輝かせるものこそ“宝物”
公開日:2018/3/2
■頭のいい子に育てるためにやるべきことって?
「頭のいい子に育ってほしい」と、親なら願わずにいられない。では、頭のいい子に育てるためには、ほかの子に先んじて言葉や数を覚えさせ、文字をきれいに書けるように早期教育をすればいいのかというと、それは違うようだ。
小児科医で脳科学者の成田奈緒子先生はキッパリ言い放つ。「頭のいい子を育てたいなら、まず伸ばしたいのが好奇心。子どもはいろいろなものに興味を持ち、知りたがります。2・3・4歳ごろになると、『好き』と『嫌い』を本能的にかぎとっています。この選びとることこそ生きる力、考える力であり、最終的な頭の良さにつながっていくのです。大人は、子どもの気持ちをくんで、できる限りのことはやらせてあげましょう。命にかかわらない程度に失敗を経験させることも大切です。そして、子どもの言うことや作ったものに、同じ目線になって共感し、大人も楽しんでください」
■秀でた人は、どう育てられた?
たとえば、「魚類研究家のさかなクンの親は彼が魚に夢中になったとき、川や海はもちろん、魚屋さんや釣り堀などにも連れて行ったといいます。ゴミ収集車に夢中になった時期は、車に乗せて1日中ゴミ収集車を追いかけてくれたとか」(『小学1年生の困った!レスキューブック』主婦の友社より引用)。
また、数多くのベストセラーを出している歴史学者、磯田道史先生は「小学校五年生の時、石仏の拓本をとってまわりたいといったら、父は、車を出してくれて、それから一年あまり、日曜ごとに小学生の石仏めぐりに、つきあってくれた」(『歴史の愉しみ方』中公新書より引用)という。
この抜きんでている二人に共通していることは何か。それは果てしなき好奇心、本物を見る経験、さらに追求していくという学びのスパイラルだ。ゴミ収集車、ダンゴ虫、石ころ……、大人にとっては不可解なものでも、子どもが興味をもったものを気に留めてほしい。
■絵本を読み聞かせて、本物を見せよう!
頭のいい子に育つ力が芽ぶく時期に、ぜひ子どもの「好き」を応援したい。ところが忙しい親にとって、何が「好き」なのか見極めるのはむずかしい。そんなときに役立つのが、目の前でさまざまな事象が展開される絵本だ。
主婦の友社から発売された『頭のいい子を育てる2・3・4さい すごいね!えほん男の子』『頭のいい子を育てる2・3・4さい できたよ!えほん女の子』には、食べ物の旅、新幹線、商店街、動物の親子、迷路、短いストーリーなど、家でじっとしていたら出合えないものが1冊に詰まっている。もし、わが子が「わぉ!」と目を輝かせる、くり返し見る、「読んで」と持ってくるようなページがあったら、親はガッツポーズ! 本物を見せに連れ出そう。たくさんのページのなかから選びとった「好き」に、わが子の未来や可能性は広がっている。