人は「感情」から老化し始める!?『40歳から始める「脳の老化」を防ぐ習慣』

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公開日:2018/3/9

 感情や記憶を司る“前頭葉”の老化防止やアンチエイジング法を紹介する、『40歳から始める「脳の老化」を防ぐ習慣』が2018年2月25日(日)に発売された。

 脳の中で最も早く老化し始める前頭葉は、感情・意欲・記憶を司る部位。たとえば言語理解を司る“側頭葉”や計算能力に関係する“頭頂葉”は、かなり高齢になるまでその機能は老化しない。しかし前頭葉は、個人差があるものの40代頃から萎縮し、老化が始まってしまう。

■40代以降の「脳」について
(1)前頭葉の萎縮…早い人で40代から縮み始める、つまり老化が始まる。萎縮が進むと感情のコントロールがきかなくなったり、思考が平板になってしまう。
(2)セロトニンなどの脳内伝達物質の不足…セロトニンの減少によって「うつ」のリスクが上昇。一時的な減少でも意欲低下やイライラなどの心の不調をもたらす。
(3)動脈硬化…脳の血管は非常に細く、動脈硬化を起こすと血流が悪化するため深刻な問題に。脳の動脈硬化が進行すると自発性がなくなってしまう。
(4)男性ホルモンの減少…男性ホルモンには、脳に直接働きかけて意欲を高めたり判断力や記憶力を高めたりする機能がある。そのため男性ホルモンが減少すると憂鬱感や集中力やアグレッシブさの欠如、判断力や記憶力の低下を引き起こす。

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 前頭葉の老化、すなわち「感情の老化」を放っておくと、ボケやすくなるだけでなく体も見た目も加速度的に老け込んでいく。ボケ状態を未然に阻止するためには、前頭葉の若さを保ち、「感情の老化」を防ぐことが重要。また、前頭葉の老化防止は体や見た目の老化をストップさせる効果も。脳から全身に広がる老化を防止するには、まずは前頭葉を鍛えておくことが必須といえる。

 では、どのようなことを行えばいいのだろうか? 同書では、脳のアンチエイジング「前頭葉の鍛錬」の具体的な方法を様々な視点から紹介していく。

■脳の「出力系」を鍛える。「アレ」「ソレ」「コレ」を使わない
 どうしても人の名前、モノの名前が思い出せない。そんなときに“便利”なのが、「アレ」「ソレ」「コレ」といった指示代名詞。家族との家の中の会話では、「アレ、どこやったんだ?」「ああ、アレならアソコに置いてあったわよ」で事足りてしまう。歳をとればとるほど「アレの名前が思い出せない…」と、指示代名詞頻発の会話になるのは致し方ないともいえる。

 しかし、指示代名詞を連発する状態を放っておくと脳の機能がサビついてしまう。なぜなら、単語を口に出すことができない状況を「よし」として、「思い出そう」という努力を怠るから。すなわち「思い出す=脳のアウトプット機能」を使わなくなることに繋がる。

 同書で脳の「アンチエイジング」のカギを握る「前頭葉」の老化防止策を学んで、ボケを未然に阻止しよう。

<構成>
序章:「脳」の老化は40代から
第1章:脳の「出力系」を鍛える
第2章:脳の「変化対応力」を鍛える
第3章:感情の老化・思考の老化を防ぐトレーニング
第4章:日常の行動・習慣から「脳の若さ」を保つ

和田秀樹(わだ・ひでき)
1960年大阪市生まれ。1985年東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院精神神経科、老人科、神経内科にて研修。国立水戸病院神経内科および救命救急センターレジデント、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、アメリカ、カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、現在、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック(アンチエイジングとエグゼクティブカウンセリングに特化したクリニック)院長。1987年『受験は要領』がベストセラーになって以来、大学受験の世界のオーソリティとしても知られる。著書に『50歳からの勉強法』『医学部の大罪』『脳科学より心理学』『悩み方の作法』『40歳からの記憶術』『一生ボケない脳をつくる77の習慣』『「あれこれ考えて動けない」をやめる9つの習慣』『テレビの大罪』『感情的にならない本』『受験は要領』など多数。

※掲載内容は変更になる場合があります。