しつけをやめたらいい子になっちゃった! それってホントなの!?
更新日:2018/4/10
しつけは親の務め。ワガママにならないようにちゃんとしつけなくちゃ! そんな親の行動を「逆効果です」と断言するのは、40年以上にわたり多くの子どもたちと接し、『マンガでわかる 今日からしつけをやめてみた』(主婦の友社)を監修した柴田愛子さん(りんごの木子どもクラブ代表)。特に小学校に入る前ぐらいまでの小さな子どもに、しつけは不要だといいます。
■「三つ子の魂百まで」は、しつけの話ではない
本来は、幼い頃の性格は年をとっても変わらないという意味。それが「3才ぐらいまでにきちんとしつけないと、そのままロクでもない大人になる」「小さいころの教育が大切」などと誤解されることが多いことわざです。柴田さんはこう言います。
「現代人はせっかちだから、早いうちにしつけなきゃと不安なのね。でも子ども時代は、存分に子どもらしさを味わう時期。十分に味わって初めて、次のステップに進めるのです。子どもはうるさくて、汚くて、危なっかしい。そういう子どもらしさをしっかり体験しないと、心が育ちません。大切なのは自分の気持ちよりも周囲の反応――そんな大人にしたいですか?」
そうは言っても、実際に「これはまずい」という状況になったとき、親としてボーッと見ていていいのでしょうか。たとえばこんな時、あなたはどうしますか?
・「ごめんなさい」や「ありがとう」が言えない
・自宅マンションでどたどた走り回って、下の階から苦情が来る
・電車の中で大声を出して騒ぐ
・ごはんの時の行儀が悪すぎ。好き嫌いもひどすぎる
・何度言っても、出したものを片づけない
・公園の遊具をひとりじめしようとする
・気に入らないとすぐに友だちをたたく
しつけゴコロがむらむらと湧き上がります。でも、子どもはなぜこういうことをするのか、その理由がわかると、「しつけなければ!」というかたくなな気持ちがほぐれていきます。そしてまた、困った行為をやみくもに禁ずることが果たしていいことなのかどうか、疑問も湧いてくるのです。
■「絶対に伝えたいこと」は、さほど多くはありません
親の価値観を子どもに伝えることは大切です。子どもにどうしても身につけてほしいことがあるなら、そこはがんばればいいでしょう。それが親としてのあなたの核なのですから。でも、誰にも迷惑をかけないパーフェクトないい子を目指してしつけをすることは、子どもにとって決してよいことではありません。許せないことの数が多すぎると、子どもの毎日はつらくなります。どうしても譲れないものだけを残し、それ以外のことには目をつぶりましょう。大丈夫! 子どもには学ぶ力、育つ力が必ずあります。その力を信じてあげてください。
「しつけ」という漠然としたものに脅かされていないで、「いやだな」「やめてほしいな」と思ったら、素直に自分の気持ちを子どもに伝えればいいのです。
子どもをしつけて変えようとすれば、変わらない子どもに腹が立ちます。変わるか変わらないかは子ども次第。でも、自分は親として譲れない価値観を子どもに伝えていく――そんなふうに考えると、気持ちがラクになるのではないでしょうか。