ひらめきがグーンとアップ! 「6段階思考法」でアイデアの達人になる方法
公開日:2018/3/7
仕事やプライベートでアイデアが必要になることは、多々あるものだ。具体的なアイデアがタイミングよく思い浮かぶかといえば、なかなか難しかったりする。これぞというアイデアを、苦手意識なくひねり出すには、どうすればいいだろう?
そのニーズに十分すぎるほどに応えてくれるのが、「アイデアはセンスではなくロジックだ!」と銘打ち、心理学と脳科学の両面からアプローチする本書『アイデアの科学 この1冊で、ひらめきや発想から企画書、説得まで「論理的に」解決(サイエンス・アイ新書)』(ポーポー・ポロダクション/SBクリエイティブ)。著者は、「人の心を動かせるような良質でおもしろいものをつくろう」というポリシーのもと、心理学の知見をもとに企業の商品・サービス改善などもサポートしてきた。
その専門的な知識を集約したこの本は「6段階アイデア思考法」として、発想力が身に付くさまざまな習慣などとともにレクチャー。自らの発想力を徐々に高めつつ、極めていくことができるテクニックが満載だ。
さすがはアイデアのプロだけに、経験則から導き出したノウハウだけではなく、脳のしくみなどの科学的見地も取り入れ、段階を経て発想力を身に付けられるようになっている。イラストもふんだんに盛り込まれ、要点をすんなり理解できる見やすさも、まさにアイデアを感じさせる。
序章では、アイデアが生まれやすい場所や脳内でアイデアが生まれるしくみなど、発想するうえでの基本的・効果的なコツを解説。
「アイデアをゼロから生み出している人は存在しない」「アイデアの正体は、既存のアイデア(情報)をアレンジしたものにすぎない」という言葉に、つい力みがちな気持ちがゆるんで視点が正されるかのようだ。「よいアイデアとは、自分だけでなく相手が『よい』と思うアイデアである」という言葉も、ひとりよがりな発想ではいけないと肝に銘じさせてくれる。
「ひらめき」と「直感」がどう違うかの見解も興味深い。ひらめきとは、脳の中の記憶を司る部位を使い、論理的システムで出すアイデア。かたや、「直感」とは脳の中の潜在意識を司る部位からもたらされ、論理的に説明がつかないものという。となると、今までの自分のアイデアは、どちらの比率が多いかを分析してみたくもなってくる。
前半の章のポイントを簡単に紹介すると…。
■アイデアを「作る」ための基礎トレーニング
アイデアのタネを効果的に集める基本的な方法を紹介。「覚えたらすぐ寝る」「新製品や不思議なものに興味を持て」「泣ける映画をたくさん観る」など、普段から取り組めるちょっとしたことに気づかせてくれる。
■アイデアを「作る」技術
ただ闇雲に考えても、冴えた発想が生まれるとは限らない。「5つの基本アイデア術と論理的フレームワーク」「なぜなぜ分析」「1人ブレインストーミング」など、効率良くアイデアを作るための専門的な方法を10項目以上も網羅。
■アイデアを「考えない」技術
考え出すのではなく、考えずに直感にゆだねるアイデア作りとは? 「歩く」「お風呂に入る」「話を聞いてもらう」「アイデアしりとり」など、普段の生活の中で無理なく実践できる8項目の秘訣など、すぐに試したくなるものばかり。
その他にも、アイデアを整理してうまく企画書にまとめるコツや、そのアイデアを周囲に上手に伝える方法にいたるまで、惜しみなくアドバイス。
この本があれば、鬼に金棒! 抵抗なくアイデアを生み出せる力が身に付いて、好奇心に満ちた目で世の中を見れて、楽しい発見の毎日になりそうだ。
文=星野ユリカ
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