「他人と比べて不幸に感じる」「彼の言動にイラっ」… 悩める全ての女性にアドバイス
公開日:2018/3/17
「お金が欲しい」「ステキな人と結婚したい」「広い家に住みたい」…。あれやこれやと脳裏に浮かぶ欲望には、限りがない。まさに煩悩だらけで生きている人も多いだろうが、この煩悩がなくなったら、どれだけラクか。
「結論から申し上げますと、煩悩は消すことはできません」
浄土真宗本願寺派の僧侶で『お坊さん、「女子の煩悩」どうしたら解決できますか?』(青春出版社)著者の三浦性曉さんは、きっぱり言う。この欲望まみれのもやもやを消せないなんて、ちょっとツラ過ぎません?
「しかし、煩悩を抱えながら歩むことはできます。そのためにあるのが、お釈迦様が説かれた御教え(仏教)なのです」
煩悩は消すものではなく、抱えながらともに歩むものだなんて! そこで渋谷区にある「寺カフェ代官山」でお悩みの聞き役も請け負う三浦さんに、悩みや煩悩と歩む方法を教えていただきました。
■僧侶だって、欲と怒りと愚痴まみれ?
約5年前から寺カフェにて、悩み相談や写経指導などにあたっている三浦さんは、浄土真宗本願寺派の僧侶になって40年余り。これまでに人間関係や転職など、あらゆる相談に耳を傾けてきたという。そして時には、答えようがない質問を受けることもあったそうだ。
「少なくともこのカフェに出入りしている僧侶は、答えを持って話をしているわけではないのです。きれいごとですが、悩みに寄り添って答え探しのお手伝いをしているに過ぎません。しかし単なる経験だけで語っているのではなく、お釈迦様の教えをもとに解決のためのヒントを提示しています。私から見れば皆さんどうも、しんどいことばかりを選んでいる気がしますね。私などは欲と怒りと愚痴にまみれながら生きていますが、それほどマイナスとは思っていません。しかしそれは私の考えではなく、浄土真宗の本尊である阿弥陀様の、『衆生(人々)は煩悩具足の凡夫(愚かに迷い、苦悩する者)であり、自力ではなく他力で救済される』という教えが基盤にあるからです」
三浦さんは「僧侶だって凡夫なのだから、相談者と同じスタンスに立ち、耳を傾けることを心がけている」という。浄土真宗には「衆生には欲望(煩悩)があり、なくすことができない。だから阿弥陀様に任せ、救いを求める」という考えがあり、あらゆる人を救済することでも知られている。
「正確に言うと仏様に教えられた私たちの姿そのものが、欲と怒りと愚痴の姿だということで、それは僧侶も同じです。私だって、タイミングが合えば何をするかわからない。 そういう自覚を持ちながら、ご相談に耳を傾けるようにしています」
フラットに相談を請け負う三浦さんの著書には、「これはダメ」が一切書かれていない。「相談に来るのは9割以上が女性」と明かすが、ダメ出しをされない安心感があるからこそ、多くの女性が足を運ぶのではないだろうか?
「煩悩を抱えた凡夫が対応してますから(笑)。ただ多くの方が、自分の中でこうしたいという答えをすでに持っている。ただそれを後押ししてくれる人がいなくて、ダメだダメだとブレーキばかりを周りからかけられている。だからあちこちに相談した結果、ここに行き着くのだと思います」