「他人と比べて不幸に感じる」「彼の言動にイラっ」… 悩める全ての女性にアドバイス

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公開日:2018/3/17

 そこで今回は三浦さんに、編集部からの質問にお応えいただくことに。「あるある!」と思ってもらえるようなものばかりを用意したので、ぜひヒントにしてもらいたい。

——離婚して5年経ちます。また人生に失敗するのではないかと思うと、新しい恋ができません。でもこのままずっとひとりかもと思うと、それもそれで怖いです。

三浦:失敗と言いますが、では今までにどれぐらい成功したのですか? 振り返ってみると人生は、失敗の方が多いのではないでしょうか。オリンピック選手を見ていても分かると思いますが、成功は失敗を重ねた上にあるものです。それなのに、失敗したからダメだと言っていたら、家にこもるしかなくなりますよね。誰もが失敗していますし、失敗を重ねて成功を得るかもしれないし、失敗のままかもしれない。厳しい言い方をすれば、それが人生です。私だって隠れたいぐらいたくさんの失敗を重ねていますが、人生とは恥をかくもので、それは誰しもが背負っていかなくてはならないことです。それに「もう」ではなく、「まだ」5年ですよ。最近では年を重ねてから結婚される方も多いですし、またご縁があればすると思いますよ。

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——独身で非正規、生活は毎日ギリギリです。だからつい正社員で既婚の友人と比べてしまいます。幸せそうな彼女を見ていると「私はなんて不幸なのだろう」と、自分がみじめになってしまいます。

三浦:隣がうらやましく見えるのは、誰にでもあることです。代官山には外車ばかり走っていますので、私だって「うらやましいな」と思うことはありますよ。でも人と比較してしまうのは、あなたが比べることによって幸せを求めるからではないでしょうか。しかし人間の喜びは、比べた上にあるだけではありません。もちろん、何を喜びや幸せと思うかは人によって違いますから、一概にその方を否定はできません。しかし比べることだけで、本当に幸せになれるのですか?と言いたいです。それよりもご自身の優れた部分を伸ばしていくことが、幸せへの第一歩だと私は思います。

——恋人や友人が思った通りに動いてくれないと、ついイラっとしてしまいます。直したいのですが、どうしたら良いでしょうか?

三浦:人間は、元来自分と同じ人を探して生きていくものだと、私なりに思います。しかし何もかもが一緒だったらラクですが、そんな人はどこにもおりません。似通った人はいるかもしれませんが、全く同じ人はいないのです。だから違いばかりが目について、いら立ってしまうのかもしれませんね。しかしそのいら立ちは、相手が思うようにならない以上に、自分が思うようにならないことに対してなのかもしれません。

 人間はそれぞれ個別の存在ですから、思うようにならないのが当たり前というところから出発してはいかがでしょう。相手を思い通りに動かそうとしても無理な話で、楽に生きたいのであれば自分の方から、相手に合わせればよいのです。しかし、その自分自身が思うように動かないのです。

 相手に合わせるのが嫌だとしたら、まずは話し合わないと。夫婦でも恋人同士でも親兄弟であればなおのこと、行き違いがあれば話し合うしかない。その上で少しでも歩み寄ったり譲り合うことをしない限り、ひとり相撲のままですよ。

——皆が熱狂しているものをおもしろいと思えません。でもそれを言うと孤立する気がして、孤独が怖くて無理に周りに合わせてしまいます。

三浦:あなたはあなたのままでいいのではないですか? 別に無理に目の前の人に好かれる必要もないし、そもそも誰もが孤独な存在です。人間は家族がいても友人がいても親友がいても孤独だというのが、仏教のものの見方なんですよね。その原点に立たない限り、孤独を乗り越えられない。だから「目の前の人も孤独で、私だけが孤独ではない」と思うことです。だってその場で盛り上がったとしても、離れたらひとりになりますよね?

 今はSNSがあるので、家にいながらでも他人と繋がっているかもしれませんが、私から言えばネットの繋がりはリアルよりもやはり希薄ではないでしょうか。なので無理に合わせるのではなく、リアルの場で「私はこれが嫌い」と言っても繋がれる人と繋がらないと、本当の繋がりを得たことにはならないと思います。

 実は、私はオリンピックのカーリング女子の試合を、熱心に見ていました(笑)。しかし、妻はまったく興味を示すことなく、一緒に見ることもありませんでしたが、、私は一緒に盛り上がってくれなくてつまらないとは思いませんでした。なぜなら、妻はカーリングに興味を持つ私を否定しているのではなく、カーリングに興味がなかっただけだからです。その人が好きなものに興味がないということと、相手を嫌いだと思うことはまったく別ものです。だから「あなたが好きなものは嫌いです」と表現した上で、その気持ちを尊重してくれる人と一緒にいるほうが楽ですよ。

——恋人のことは大好きですが、体の相性が合いません。でもそれ以外の部分は大好きなので、我慢して付き合った方が良いのでしょうか?

三浦:自分の中で何が一番大事なのかの、優先順位をつけることです。相手と優先順位のトップは合うけれど、2番目はどうにも合わないというのはよくあることです。大事なのは優先順位を整理した上で、どこまで辛抱できるかです。決定的に合わないのであれば、一緒にいればいるほどしんどいだけ。正直言って、体のことは大事です。優先順位は人によって違うと思いますが…。

 相手への不満が重なっていくといつしか不信になり、愛が消えてしまうこともあります。しかし、私は「別れたら良い」とは簡単には言いません。なぜなら人間はずっと同じではなく、変わっていくものだから。これから先の未来はどう変わるかはわからない。今のあなたと相手は、今の時点のあなたと相手でしかないことを忘れないでください。

 まずは、その自分の気持ちを素直に相手に伝え、相手が大事にしているものを聞くことから始めてはどうでしょうか。案外、同じことで悩んでいるかもしれません。

——「起きることは自分に原因がある」と聞きますが、ではなぜ時に人間は、理不尽な目に遭うのでしょうか? それは自分が悪いからですか?

三浦:仏教的に言いますと、多くの苦しみの種(因)は自ら蒔いているのです。起きることはあなたひとりの責任ではもちろんないけれど、人生の責任はあなたにあります。物事の結果を得るためには無数の種が必要ですが、その中には必ず、自ら蒔いた種が混ざっている。もちろん全ての責任があるわけではないですし、因果(原因と結果)といわれるものは、一因一果ではありませんが…。

 そして因果応報は仏教の基本ですが、今起きていることが全てではありません。だから今の結果があっても新たな種が蒔かれることで、別の方向に人生は進んでいきます。楽の種をまいているつもりでも、苦の結果を招くこともあります。また、苦の種が楽の結果を生むこともあります。だから悪いことが起きても「これが運命だ」などとくさらずに、精一杯生きること。自分自身が良いと思うことを重ねるしかないのです。

取材・文=霧隠 彩子