【世紀末×ヒョーゴノスケ】Twitter発のマンガ家ふたりがお互いの魅力を語り合う!【前編】

マンガ

更新日:2018/4/2

 このふたつのマンガ。どこかで見たことないですか?


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……ん? なになに? 「Twitterで見たことある」?

 そう! このマンガはどちらもTwitterで多くの人にリツイートされたもの。「そういえば見たことある!」という人も多いんじゃないでしょうか。

 このマンガの作者は、それぞれTwitterで驚異のフォロワー数を誇る、世紀末さんとヒョーゴノスケさん。ふたりは、3月にTwitterに投稿していたマンガを書籍化した同士でもあります。さらに、お互いファンだと公言しているほど、クリエイターとしてもリスペクトしあっているんだとか。

ヒョーゴノスケさんが、世紀末さんのマンガ『殺さない彼と死なない彼女』のキャラクター・君が代ちゃんのファンアートを描いたことも!

世紀末さんが、ヒョーゴノスケさんの誕生日に寄せたお祝いのイラスト!

 しかし、Twitter上でのやりとりだけで、まだ直接会ったことはないというふたり。そこで今回、新刊の発売記念として、世紀末×ヒョーゴノスケの対談企画を実施! Twitterの人気者のふたりが実際に顔を突き合わせながら、いろいろなことを話し合います。それではまず、お互いの印象から聞いてみましょう……。

■実はふたりとも広島県出身! お土産にもみじ饅頭を持ってきた世紀末、撃沈……

── まず、はじめて会ってみてお互いの印象は……?

ヒョーゴノスケ:世紀末さんは顔出しされてるから、お会いした瞬間「あ、世紀末さんだな」って思いました。

世紀末:私は逆にはじめてお顔を拝見したので「これがヒョーゴノスケさんか!」って感じです。

── おふたりがお互いのことを知ったきっかけを教えてください。

ヒョーゴノスケ:それ、たしかに気になってました。いつごろ知ってくれたんですか?

世紀末:これ言ったら編集さんに「遅い」って言われたんですけど、映画ドラえもんのポスターなんです。あのポスターが本当にすごいと思って、それで誰が描いてるんだろうって調べて。たぶん、一昨年くらいのことかな。なので“にわか末”です……。

── ヒョーゴノスケさんの絵のどこをすごいと思ったんですか?

世紀末:キャラクターを前面に出さずに景色とか空間をメインにもってくるっていうセンスと、アウトラインがないのもおもしろいですよね。それに、絵の雰囲気がキャッチコピーとすごく合っていて。ヒョーゴノスケさんが描く世界観に惹かれて「他の絵ももっと見たい!」って思ったんです。

── なるほど。ヒョーゴノスケさんはどうやって世紀末さんの存在を知ったんですか?

ヒョーゴノスケ:Twitterですね。たぶん、世紀末さんの1冊目の本が出る何か月か前かな? タイムラインに4コママンガが流れてきて、それがすごくおもしろくて。普通じゃない感性を持った人だなって思ったんですね。都会っぽいというか。東京生まれの人は違うなって思ってたら、同じ広島県出身でした(笑)

世紀末:そうなんですよ。しかも、私は今も広島に住んでます! 実はヒョーゴノスケさんも広島出身って知らなくて……。今日、お土産にもみじ饅頭持ってきちゃったんです(泣)。

ヒョーゴノスケ:広島県っていうのが意外だったけど、とはいえ広島市出身とかだろうって思ったらそれも違うんですよね?

世紀末:はい……。都会っぽいってよく言われるんですけど、住んでるのはめっちゃ山です。キジとか出てきます。

ヒョーゴノスケ:僕の地元は地図で見ると右の方なので、ちょっと離れてますね。

世紀末:ほんとにもみじ饅頭にするんじゃなかった……(泣)。これならはずれはないと思ったのに。あ、でももうひとつ「桐葉菓」っていうお菓子も買ってきたので! こっちもめっちゃおいしいので、ぜひ。

ヒョーゴノスケ:これははじめてみました。いただきます。

世紀末:娘ちゃんはモチモチしたものは食べられますか? マンガの中でプルプルしたものがダメっていうエピソードがあったので……。

ヒョーゴノスケ:モチモチは大丈夫です。読んでくださってありがとうございます!

── せっかくはじめて直接対面しているので、何かお互いに質問とか……?

ヒョーゴノスケ:世紀末さんに聞きたいことがあって。お名前って『北斗の拳』のラオウから着てるんですよね?

世紀末:そうです! 「世紀末覇者拳王」からとりました。まあ、読んだことないんですけど……(笑)

ヒョーゴノスケ:どうしてその名前にしたんですか?

世紀末:心も身体も強くなりたいって願いをこめて……ですかね。「我が生涯に一片の悔い無し」って言えるのって、めちゃくちゃすごくないですか?

ヒョーゴノスケ:たしかに……!

■ファン代表として、お互いの魅力を語り合ってみよう!

── おふたりはお互いがお互いのファンであることを公言されています。ここでファン代表として、作品の魅力を語ってもらえますでしょうか!

ヒョーゴノスケ:まず、絵がやわらかくてかわいくて、ほっこりしますよね。でもストーリーはすごく“えぐられる”感じがある。そのギャップにドキッとさせられるんです。新作の『さよならバイバイ、大好きだったよ。』も読ませていただいたんですが、ラストは感動して泣けました。

世紀末:うれしい……! ありがとうございます。

ヒョーゴノスケ:それと投稿量がすごい! 4コママンガだけじゃなくて、絵日記も毎日載せてらっしゃるんで。

世紀末:実は最近サボりがちなんですけど(笑)。本の作業でやられてたので……。

ヒョーゴノスケ:僕も一時期、毎日上げようって思ってたのに、やっぱり気力が続かなくて。だからすごいなと。

── 世紀末さんはどうですか? ヒョーゴノスケさんの作品の魅力を、ぜひ語ってください!

世紀末:とにかく構図がカッコいいですよね。Twitterで上げてるマンガは、もう、とにかく、娘ちゃんがかわいい! 子どものことをネタにしてマンガを描かれる方は多いですけど、ここまで魅力的にかつおもしろく表現できているものは少ないんじゃないかなって。

ヒョーゴノスケ:ありがとうございます。

世紀末:最近Twitterに投稿されてたエピソードで、ヒョーゴノスケさんが「パパ、右耳聞こえなくなっちゃった」って言うと、娘ちゃんが「私が手話を覚える!」って答えるやつがあるじゃないですか。その反応がいいなって思ったんです。「なんで?」とか「悲しい」とかじゃなくて、すごく前向き。素敵なお子さんなんだなってあらためて感じました。

ヒョーゴノスケ:実は、今日は娘から世紀末さんにプレゼントがあって……。世紀末さんのマンガに登場するキャラを描いてくれたんです。

世紀末:ええ! やばい、めっちゃうれしいです!


ヒョーゴノスケ:好きなキャラを描くって言って、きゃぴ子とポニーを。娘は女の子っぽいキャラが好きなんですよ。とくにポニーは自分もポニーテールだから親近感がわくそうです。

世紀末:めっちゃかわいい! うわー、ほんと、ありがとうございます。しかも「世紀末」って漢字で書いてある……!

ヒョーゴノスケ:最初「末」の字が「未」になってて。違うよって教えたら、あとから書き足して直したみたいです(笑)。

世紀末:まさか、こんなサプライズがあるとは……! 絵もめっちゃうまくて、将来有望ですね。そして、小学2年生でポニーの女の子らしさを見抜く、眼力もすごい! 

ヒョーゴノスケ:僕は君が代ちゃんとか、岡さんみたいにまっすぐ「好き」って言っちゃう子が好きなんですけどね。娘は今回、本を出させてもらうことで、友だちにマンガを読んでもらえるって、すごく楽しみにしてます。これまでは、グッズをランドセルに付けていったりとか、図書室で僕が装丁を担当した児童書を見せるとかだったので。本が出たら学校に持っていくって言ってます。

世紀末:娘ちゃんのコーナーもありますもんね!

ヒョーゴノスケ:そうなんですよ。娘のインタビューが載ってるんですけど、取材があるよって言ったときには自分が有名人になったように感じてすごくよろこんで楽しみにしてたんですけど。いざ当日、取材がはじまると緊張しちゃったみたいで、ぜんぜん話せなくなっちゃってました。

世紀末:その気持ちすごいわかる……! 私もはじめての取材のとき「もうすぐだ!」って楽しみにしてたのに、はじまったら何を話せばいいのかわからずテンパっちゃったので……。今日の対談も、やばい、やばい、緊張するって、ずっと言ってました(笑)

(つづく)

 娘ちゃんからのサプライズプレゼントに大感激の世紀末さん。娘ちゃんの絵をほめられて、ヒョーゴノスケさんも満更でもない様子。大盛り上がりの対談は、後編へと続きます。

 そして……! 世紀末さんの2作目となる新刊『さよならバイバイ、大好きだったよ。』と、ヒョーゴノスケさんにとってははじめてのマンガ作品『今日も娘と。』は好評発売中!

司会・構成=近藤世菜