その“めまい”は心と身体からのSOS…「リハビリ体操」&「ジャマイカ療法」で薬の頼らず治す!
公開日:2018/4/13
私は一年に一回くらい「めまいがして気持ち悪くなり、横になったまま動けない」という状況になる「めまい持ち」なので、お医者さんに相談したことがある。「めまいの時に、よく効く薬はありますか?」。するとお医者さんは「めまいは基本的に薬じゃ治らないよ。なってからじゃ遅いから、なる前に予防!」とのこと。
「え……じゃあどうしたらいいの?」と困惑していたところ、書店で見かけたのが『薬に頼らずめまいを治す方法』(五島史行/アチーブメント出版)だった。
著者は全国からやって来る「めまい難民」を救ってきたという名医。本書にもやはり、「薬はめまいの原因を根本的に治してはくれません」と書かれていた。そこで、著者の五島史行先生が指導しているのは「リハビリ体操」だ。
めまいを治すためのリハビリ体操は……
頭や目を動かす簡単な動作で、誰でもできる。
小脳に働きかけて鍛えることで、めまいを根本的に治す。
薬に頼らなくてもめまいが改善する。
時間もお金も道具もいらない。
……というもので、「1日3回、たった5分」の体操だという。
本書ではカラーで実際の「めまいリハビリ体操」のやり方を紹介してくれているので、しつこいめまいに苦しんでいる方は、すぐさま実践してほしいと思う。
本記事では、「なぜリハビリ体操が効くのか」に触れておきたい。
めまいを改善するには「目と耳と足の裏を動かすことで刺激して、小脳を鍛えるしかない」のだそう。めまいの原因の80%以上は耳(前庭機能)の障害だが、とりわけ「左右差」が問題になるという。
左右どちらかの耳の前庭機能が壊れ、バランスが乱れることによりめまいは生じる。そのバランスを調整してくれるのが小脳の働き。その小脳の調整を促してくれるのがバランス体操なのだ。
めまいになりやすいのは、女性が多い。中でも40代後半から50代の更年期、もしくは60歳以上の定年世代だという。夫が定年を迎え、毎日家にいるようになり、夫婦のライフスタイルが変化する時期だ。
めまいは精神的なことをきっかけに発症することも多く、めまいが治りにくい患者さんは、「真面目で責任感の強いタイプが多い」とも。めまい患者さんの合併症として、うつ病や不安障害を患うケースも多く見られるという。
めまいを本気で治すには、時に薬に頼り、リハビリ体操を根気よく行い、さらにメンタル面のケアも必要なのだ。
そこで本書で紹介されている、もう一つのめまい改善策は「ジャマイカ療法」。
「夫に『お茶』と言われて、『疲れてるから自分でやって』と言えない」
「『仕事が忙しいから、子どもを預かって』と娘に言われて、『めまいがあるから、無理』とは言えず、がんばってしまう」
など……。
こういった生真面目さが、めまいの引き金になることもあるという。
しかし、めまいは「心と身体がパンクしていることの表れ」であり、「休んで!」というSOSなのだ。
だからこそ、無理をせずに「じゃ、ま、いっか」という気持ちを持つのが大切。これが「ジャマイカ療法」。何かうまくいかないことがあった時、「じゃ、ま、いっか」と5回言葉にするだけで気が楽になり、「手を抜いてもいいか」「つらい時は、頑張らなくてもいいよね」と思えるようになれば、精神的な負担を減らせるのではないだろうか。
慢性的なめまいに苦しみ、医療機関にかかっても一時的な改善しか得られないのなら、「リハビリ体操」「ジャマイカ療法」をやってみてはいかがだろうか?
文=雨野裾