人間関係は対応と演出が10割! 現役弁護士が教える人とモメないコツ
公開日:2018/4/16
最近、荒れている人が増えたように感じます。パワハラを繰り返す上司、理不尽な苦情をつけるクレーマー、ゴミ捨てや騒音トラブルを起こす近所の隣人、ネット上でもSNSの炎上が頻繁に話題になります。自分は気をつけても、トラブルメーカーは向こうからやってきます。他人とぶつからずに生きていくにはどうしたらいいのでしょうか。
『弁護士だけが知っている ムダにモメない33の方法』(佐藤大和/ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、弁護士としてメディア関連の法的トラブルから、いじめ問題や家庭内暴力などの民事事件、交通事故などの刑事事件、さらには労務問題などの企業法務まで幅広い実績を持つ著者が、他人とモメない33の方法を紹介しています。
著者が担当した相談者の多くは、最初から大きな問題を抱えていたわけではなく、「小さなモメごと」が積み重なって「大きな問題」に発展していました。
数々の案件を通じてわかったのは、人間関係は「対応」と「演出」が10割ということ。ちょっとした心がけで「小さなモメごと」は未然に回避できるといいます。
本稿では、職場や家庭、友人との付き合いで、すぐに活かせる他人とモメない方法を3つ紹介します。
■見られ方を意識する
もし相手によく見られたいために顔や態度を変えることに不快感や嫌悪感を抱くのであれば、きっと貴方は正直な人なのでしょう。しかしどれだけ内面が素晴らしくとも、話し方や振る舞いが悪ければ相手に伝わりません。日頃から印象をよくしておけば、小さなモメごとが起きても大事にならずに収まるといいます。
例えば、普段から飴玉や一口サイズのお菓子を用意しておき、仕事で助けてもらったり、待ち合わせに遅れてしまったりしたら、小さなお礼やお詫びとして相手に渡す。これだけでいいのです。
人間には誰しも「自分を思いやってもらいたい」という欲求があります。見返りを求めない厚意や親切でも、相手が当然のような態度でいたなら、印象を悪くしてしまいます。小さなことでも感謝を示すことが大切なのだそうです。
■会話は人に合わせる
人との会話で自分が思ったことをそのまま口にしていませんか? 自分では話し上手だと思っている人も、相手の話を聞かずに一方的に話しているだけで、向こうは辟易しているかもしれません。他にも下手な会話では、「話が長い」「あいづちをしない」などが挙げられます。著者は、会話は相手に合わせるのが基本といいます。
例えば、「ミラー効果」というテクニックがあります。相手が強調している言葉を復唱する。相手が飲み物を飲んだら自分も飲む。意識的に相手の仕草や発言を真似ることで、相手に親近感や安心感を与えられるのです。
著者のもとを訪れる相談者は皆さん不安や悩みを抱えています。そうした相手に一旦、落ち着いてもらい、信頼関係を築くのにも、このテクニックは効果抜群といいます。
■自分のトーン(調子)を決める
仕事が立て込んでいたり、約束の時間が迫っていたり、気持ちが急いていて感情的にイライラしている状態はモメごとを呼び込みやすいのです。常に冷静でいるためには、平常時の自分のトーン(調子)がどのような状態かを把握しておくことです。
例えば、親しい友人とお喋りしているとき。一人で本を読んでいるとき。スポーツで汗を流しているとき。一番安定しているときの自分を基本のトーンに決めます。イライラしていると感じたら、深呼吸して自分のトーンを思い出す習慣をつけてみましょう。
本書では、こうした心がけの方法から、モメごとが起こってしまったときの対処法までを紹介しています。
モメごとというのは、他人への気づかいを忘れてしまったときに起こるのかもしれません。うっかり自分がトラブルの原因にならないためにも、他人への思いやりや気づかいを心がけたいものです。
文=愛咲優詩