政治家、人気女優の不倫がなくならないその理由…林真理子の人気エッセイ最新刊

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公開日:2018/4/19

『不倫のオーラ』(林真理子/文藝春秋)

 週刊文春に、2017年1月からの約1年間連載されたエッセイと、番外編「『西郷隆盛が愛した男と女』中園ミホ×林真理子」を収録した1冊が『不倫のオーラ』(林真理子/文藝春秋)である。大河ドラマの原作を手がけ、時代の最先端を走り続ける林真理子氏は、旺盛な好奇心と華麗なる人脈で、ますますパワーアップ! 鋭い視点と繊細な感性で、連載開始から30年以上たった今も変わらず読者を魅了している。

 本書は、自身の活動から、美容、健康、着物、ペット、有名人、夫婦、社会情勢まで、盛りだくさんの内容だ。華やかなネットワークを持つ林氏ならではの、一般人では知り得ない話題も読みどころである。ここ数年、林氏は体型維持に成功しているため、定番だったダイエット話が少ないのがファンとしてはちょっと寂しいところだが…。

 政治家や女優の不倫について、「作家としては美しく魅力ある人たちが不倫するのは、まあ有り得ることと理解している」と述べる林氏。ファンと不倫したトップ女優の斉藤由貴さん、元スピードの今井絵理子さんについては、「スターが下界に降りてきた」として考察する。

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 また、美貌の政治家・山尾志桜里氏については、乗りに乗っているときには、人から理性を失わせるような、ものすごい量のエネルギーが生まれるものだと述べ、「山尾さんも台風のようにそのエネルギーがふきぬけたのでは。だから週に4回もホテルで会いワインを飲んだんだ」と。

 さらに、林氏の華麗なる友人にも。ある若い経済学者は、千円以上持ち歩かずアップルの腕時計ですべて支払いするという。こうした最先端の若い人の動向を知ることができるのも本書のおもしろさだ。

 しかし「お心づけ文化のある日本ではそう早くキャッシュレスに向かわない気がする」と林氏。ヤマトの宅配便問題については、アマゾンのヘビーユーザーとなった林氏は、「便利さ安さの後ろには必ず泣いている人、疲れきっている人がいることを思う」と述べている。

 今現在も渦中の人である安倍昭恵さんには「せちがらい世の中、昭恵さんの純な魅力というのは本当に得がたいものだと思っている。しっかり疑惑を晴らしてね」と書いている。そのほか、日馬富士の趣味が油絵で名古屋場所の10日間で「横綱」という絵を仕上げたこと、松居一代さんと船越さんの問題、豊田真由子議員の「このハゲ~」など、すでに忘れかけていたあの事件、この話題もたっぷり。

 それにしてもさまざまな出来事があったなーと、時代の空気を再度味わえる1冊だ。脚本家の中園ミホ氏と、前代未聞のホットな「人間・西郷隆盛」を語る「番外編」にも注目してほしい。

文=泉ゆりこ