「似合う服を選ぶ・残す」で片付け上手&垢抜けおしゃれ! 骨格診断×パーソナルカラー活用術
更新日:2018/6/4
いつの間にかパンパンになったクローゼット。こんなにたくさん服があるのに、毎朝「着る服がない!」と大慌て。奥の方には、何年も着ていないのに捨てられない服も…。そんなファッション&片付け迷子のあなたにおすすめしたい、最強メソッドが「骨格診断×パーソナルカラー」。業界の第一人者で、著書『骨格診断×パーソナルカラー 本当に似合うBestアイテム事典』(西東社)も大好評の二神弓子先生に教えていただきました。
二神先生のメソッドでは、骨格診断とパーソナルカラーそれぞれのタイプの組み合わせで、似合う服の色・素材・デザインを提案します。骨格診断では、生まれ持った身体の特徴からストレート・ウェーブ・ナチュラルの3タイプに分類。それぞれのタイプに似合うデザインと素材が分かります。
パーソナルカラーでは、肌・髪・目の色などから、スプリング・サマー・オータム・ウィンターの4タイプに分類。それぞれの似合う色が分かります。この2つの理論から、その人に本当に似合う服を提案できるのです。
「骨格診断&パーソナルカラーって、片付けもできちゃうの?」と疑問に思われるかもしれません。しかし、似合う服を知ることはすなわち「似合う服」と「似合わない服」を分けること。「似合う服」だけを残して「似合わない服」を捨てていけば、自ずと片付いたクローゼットになるのです!
■服を捨てる勇気を持つために、似合う服を纏った自分を目に焼きつける
――何年も着ていないのに捨てられない服がたくさんある人は、どこから手をつけていったらいいでしょうか?
二神弓子先生(以下、二神) 「いつか着られるかも」「この服は高かったから」と何かと理由をつけて服を捨てられない方には、一度、髪やメイクも整えた上で、ご自身の骨格とパーソナルカラーに合った全身コーディネートを着てみてほしいですね。確実にいつもよりきれいでスタイルがよくて、垢抜けて見えるはず。これを体験すると、“デザインが好きなだけで買った服”は着たくなくなります。
逆に、ご自身の骨格とパーソナルカラーに合わない服を全身着てみて、いかに似合わないかを実感するのも手。完璧な状態とひどい状態をそれぞれ写真に撮って見比べるのもいいですね。まずはベストな自分を知るのが、服への未練を断ち切る第一歩です。
■似合う服をどれだけ持っているかを確認する
二神 ベストな自分を知って、捨てるための心の準備ができたら、クローゼットにある洋服をひとつずつチェックしていきましょう。自分の骨格とパーソナルカラーに合う服をどれだけ持っているかを確認します。
■きれいなクローゼットを保つには、“無駄買い”しないこと
――似合う服だけを残すのが理想ですが、「似合わない服をすべて捨ててしまったら、コーディネートができなくなるのでは?」という不安もあります。どのようにシフトしてゆけばよいのでしょうか?
二神 一旦、クローゼットの中を自分の骨格に合う服だけにしてみると、何が足りないのか明白になりますよね。「トップスはまぁまぁ数があるな」ということであれば、ボトムスを買い足せばいい。本書の中では「5着6コーデ」という考え方を提案しているのですが、まずはトップスを3着、ボトムスを2着揃えることを目指しましょう。主張がある色柄ものは1着だけにして、他はベーシックなアイテムにすると、それだけで6コーデ作れて、毎日の着こなしに困らない流れができてきます。やみくもに似合う服を増やしていくのではなく、組み合わせ方を考え、数をしぼって考えるのが大切です。
――目指す方針がわかったところで、いざ服の買い足しに! といっても、また似合わないものを買ってしまったら…と自信がありません。服を買い足すときのポイントを教えてください。
二神 洋服は色・素材・デザインの3つの要素で成り立っていますが、この中で素材を最優先で考えると失敗しづらいですよ。素材を最優先するのは、似合わない素材というだけで服に着られている感じに見えてしまうから。太って見えたり、逆に貧相に見えたり、スタイルダウンしてしまうので注意してください。似合わない服は、結局着なくなってしまってクローゼットの肥やしに。着ない服を買ってしまう“無駄買い”を防いで、きれいなクローゼットを保ちましょう。
――二神先生ご自身がお買いものされるときは、どんなことを考えていらっしゃるのでしょうか?
二神 お店だと、まず色で遠目でも“近寄る必要がないエリア”が分かりますね。私のパーソナルカラーは「サマー」なので、例えばキャメル(イエローベースであるスプリング・オータムの人に似合う色)が並んでいるゾーンには行かないです。まずは色で近寄る場所が絞られて、合う色だと思って近づいてみて、素材が違う、デザインが違うと消去法で絞っていきます。条件が揃う服を見つけたら、初めて試着をします。
試着では、首の空き具合とか袖丈などサイズが自分に合っているかをチェック。1次審査が遠目で見て分かる色、2次審査が近くで見てわかる素材とデザイン。3次審査が試着です。そうそう、メソッドに慣れると、買い物がすごく早くなるんですよ(笑)。メソッドでふるいにかけられたものの中から選ぶから、「本当に似合うかな?」と迷う時間がなくなるので。
■年に4回以上、クローゼットを棚卸
――二神先生はお仕事柄たくさんの服をお持ちかと思いますが、クローゼットの整理はどうされていますか?
二神 私は最低でも年に4回は、クローゼットの中のものを全部出して棚卸をしています。服、バッグ、帽子などの小物も含めて、全部出して空っぽにするんです。出したら、1着1着チェックしながら戻します。衣替えを兼ねて、どんな服を持っているのかを把握するためにやっていますね。「こんなのあったっけ」が防止できますし、「同じような服が増えている」とか、いろんな発見もあります。
――出した服は、同じ場所に戻すんですか?
二神 クローゼットに戻すときにはただ漠然と戻すのではなく、「これは着る」「これは似合う」「これは使える」とか価値があるものだけを戻すようにしています。それ以外の「戻そうか、どうしよう?」と迷ったものは、捨てる。迷った時点で、もうそれはいらないものだということだと思うので。「迷ったら捨てる」はマイルールですね。冷蔵庫の中身と一緒で、ありすぎるとわからなくなりますから。
■服は捨てても小物は捨てない
二神 服は潔く捨てますが、アクセサリーとファッション小物はそんなに捨てなくていいと考えています。あまり場所を取らないですし。自分に似合う色・素材・デザインの服がまだ揃わないうちは、小物が多いと着こなしの印象を変えられて便利なんですよ。
――棚卸は年に4回“以上”とおしゃってましたが、衣替え以外ではいつ棚卸をされるんですか?
二神 例えば、「最近クローゼットが“ぎゅうぎゅう”だなぁ」と思ったときに、自分に似合うベストなアイテムばかりだったら、毎日着るものがたくさんあって、着こなしのバリエーションも豊富なはずですよね?でも、「そんなイイ思いはしていないぞ」と感じたら、絶対に無駄なアイテムが入っているはず。そしたら「そろそろ棚卸をしなきゃ」と思うタイミングです。
――「迷ったら捨てる」といっても、「捨てるに捨てられない!」と思うこともあるのでは。
二神 私の場合は「休みの日なら着るかもしれないけど、初めてのお仕事をする方に会うときに着るのか?」と自分に問いかけて「プライベートの友達に会う以外では着られないな」と思ったら捨てる、というのをひとつの基準にしています。
――実際に着るシチュエーションを考えているということですね。
二神 服を着るシチュエーションが想像できるかどうかは大切です。捨てるときはもちろん、買うときも「パーソナルカラーも骨格にも合っているし、デザインも大好き。でも、これはいつ着るんだろう?」っていう服と出合うんですよ。私の場合、休みの日はあまり外に出ないし、仕事で着られない服は出番が少ないんです。
■TPOや自分の立場も考えて、さらに“無駄買い”を防ぐ
二神 服を買うときは、自分のイメージ作りも考えるようにしています。先日、知り合いのライターさんに呼ばれてアパレルブランドの展示会に行ったとき、骨格とパーソナルカラーに合っていて、「ほしい!」と思った服があったんです。「着るかな?着ないかも…でもほしい」と悩んでいたら、ライターさんが「先生、似合うと思いますけど、これ着て仕事来られたら、たぶん怖がられますよ」って(笑)。
――ええ~!?どんな服なんですか?気になっちゃいます。
二神 デート服みたいな感じのデザインでしたね。「仕事相手が男性だったら、怖がられますよ」って(笑)。婚活中の方や若い方だったらそういう服が必要でしょうけど、自分の立場を考えて諦めました。自分の生活の行動パターンと、自分の立場、自分が作っていきたいイメージ。そこを考えてから買わないと、結局着ない服が増えていくことになりますから。
■「主役は服ではなく、自分!」という意識を持つ
――今まで「あれもこれもほしい!」と目移りしていたのは、考えなしでショップに行っていたからだったんですね。買っても結局着なかった服が、結構あります。
二神 お洋服を主役に据えていると、「デザインがかわいい」というだけで買っちゃうんですよ。でも、自分を主役にしてほしい。「自分を活かしてくれる衣装なのかどうか?」を考えると、“無駄買い”が減るかもしれません。
■メソッドに縛られすぎずファッションを楽しんで
二神 自分を主役に考えるという意味では、骨格診断とパーソナルカラーも、メソッドに忠実に従うというよりは、自分を素敵に魅せるために利用する視点を持ってほしいです。私も自分のパーソナルカラーじゃない色を着たり、骨格に合わない素材を着たりすることはあります。理想通りの色・素材・デザインに加えて、TPO、自分の職業、イメージを踏まえた服にいつも恵まれるわけではないので、いろいろと試してみて、「どの程度だったら、NG素材を取り入れてもOKなのか」を探りながら、ちょっとずつ自分のものにしていっていただければと思います。
――“ベスト”があっても、ちょっと範囲を広げて“ベター”を知っておくと、着こなしの幅も広がりそうですね。
二神 取り入れられる範囲を知るには、「これ着ると私は究極にダサく見える」という“NG服”を知ると分かりやすいです。自分の骨格、パーソナルカラーではないグループにあります。それだけは避けて、「これくらいなら大丈夫」と匙加減を調整してみてください。自分のクローゼットを見直すときも、この“NG服”は真っ先に捨てると、分かりやすいかもしれません。
取材・文=箕浦 梢 写真=伊東祐輔(PEACE MONKEY)