ハンガー選びも重要! 新社会人に教えたいスーツ選びのポイントと手入れ術
公開日:2018/4/26
春を迎え、多くの新社会人を街中でも見かけるようになった。初々しいスーツ姿のフレッシャーズたちを見ると、自分も「ああ、社会人として年齢を重ねたもんだよなぁ」と、しみじみとした思いもわいてくるものである。
さて、多くのビジネスパーソンにとっての正装となるスーツだが、上手な着こなし方や日頃からの手入れ術については、なかなか教わる機会もない。そこで、スタイリスト・森岡弘さんの著書『ビジネススーツ超入門 成功する就活スーツ・フレッシャーズスーツはどれだ?』(講談社)より、「好感度の上がるフレッシャーズスタイル」と「清潔感を保つお手入れ術」を紹介していこう。
■スーツの決め手は「サイズが合ったスーツを選んでいるか」ということ
ビジネスパーソンにとって、スーツはいわば日常の“戦闘服”だ。「最低限のルールさえ守れば、スーツは確実に、今のあなたを『格上げしてくれる』武器になります」と語る著者は、以下のように「ビジネススタイルの心得10カ条」を紹介している。
【ビジネススタイルの心得10カ条】
(1)スーツ選びは「ジャストサイズ」を信条とする
(2)スーツの色は、紺またはグレー。柄はストライプのみと限定する
(3)2つボタンのシングルスーツを基本とする
(4)シャツは白の無地またはサックスブルーのものとする
(5)シャツの襟型はレギュラーカラーとセミワイドカラーを基本とする
(6)シャツの袖は上着から1~1.5cm出すこととする
(7)ネクタイはストライプ、ドット、小紋柄を原則とする
(8)ネクタイの長さは、剣先はベルトのバックルの下か真ん中にかかるものとする
(9)コーディネートにおいて、柄物は2アイテムまでとする
(10)靴は黒のストレートチップかプレーントウをベースとする
じつは、全体のコーディネートを考えるよりも大切なポイントは「サイズが合ったスーツを選んでいるか」ということ。その上で、「スーツ、シャツ、ネクタイともに、『購入する色・柄は限定してしまう』こと」が、デキるビジネスパーソンを演出するための近道なのだという。
また本書では、スーツやシャツ、ネクタイといったあらゆるアイテムの実例も紹介しているが、例えば、シャツを選ぶときは首まわりの「ネックサイズ」がもっとも重要なポイントになるという。
シャツを選ぶ際、自分のジャストサイズをみきわめるなら「シャツと首の間に、指1本分の隙間があくくらい」の感覚を目安にするのがポイント。左右の襟の間に隙間ができたり、首元で重なったりしてしまうとしまりのない印象を与えるため、均等なバランスになるのが理想。お店では、店員にきっちりとサイズを測ってもらうのがベストだ。
■スーツを長持ちさせるには「ハンガー選び」も重要になる
スーツはいわば自分の相棒。せっかく買ったのだからやはり、愛着を持って日頃から使うのも大切だ。「同じスーツは2日続けて着ない」のがまず、生地の傷みを防ぐための方法だと教えてくれる著者だが、本書ではさまざまな手入れ術も紹介されている。例えば、ハンガーの選び方に気を配るのも一つのポイントだ。
上着をかけるなら厚手のハンガー、パンツには裾を挟める専用のハンガーを使うのが著者のおススメする方法だ。よくある針金のハンガーは、上着の肩パットを変形させてしまうおそれがあるほか、パンツに使用すると二つ折りした場合にシワが付いてしまう可能性があるため、なるべく避けたほうがよいという。
また、スーツと共に印象を決めるシャツの手入れ術として、アイロンのかけ方にもコツがある。
一見、面倒にみえるアイロンがけだが、わずかな手間で効果的にやるなら「襟やカフスなど、『目立つところ』を重点的にかけること」がポイント。きれいに仕上げるための順序は上記の写真を参考にしてもらいたいが、肌にふれる襟先はヨレやすいので、念入りにかけるのを心がけよう。
忙しさに追われる中で、だんだんと雑に扱ってしまうというのもよくある話。しかし、せっかく自分のためにと手に入れたモノだからこそ、長く使い続けていきたいものである。本書をたよりにいつでもビシっとしたスーツ姿のまま、仕事へと邁進していただきたい。
文=カネコシュウヘイ