デキる新人が脅威? ならば今からでも「ルーキー」らしさで真っ向勝負できるらしい!
公開日:2018/4/27
■「ビギナーズ・ラック」はただの偶然ではない
「アイツ、新人なのに意外とうまくやったな」と感じた場面はないだろうか。あるいは自ら、新人の頃の輝かしい経験を持つ人もいるだろう。ビギナーズ・ラックだと思われがちな状況だが、実はその成功は運によるものではないらしい。大規模な調査を通じて、「ルーキー・スマート」いわば「デキる新人」には、特有の思考と行動パターンがあることを明らかにしたのが本著『ルーキー・スマート』(リズ・ワイズマン:著、池村千秋:訳/海と月社)だ。成功の法則を知って自分もパワーを手に入れるにはどうすればよいのか。本書にはそのノウハウが詰め込まれている。
■誰でも手に入れられるルーキーの輝き
著者の定義によれば、ルーキー・スマートとは年齢を問わず新しい分野に身を置いて「学習できる人物」のこと。私たちも、ルーキーの“4つのモード”を学ぶことで、その起爆力を手にすることができるらしい。本書からそのモードの特徴と、力を磨くための具体的なトレーニング方法を紹介したい。
■モード1:バックパッカーの特徴
重荷を持っていないので何事にも自由で身軽にチャレンジできる。結果として新しい手法や結果を手に入れられるそうだ。
〔トレーニング例〕
仕事が終わるたび、成功体験を含めて過去を全てリセットしよう。実績という荷物を降ろして、再び新しいスタートを切るのだ。何か疑問が思い浮かんだ際には、素朴な質問でもためらわず尋ねるのが吉。
■モード2:狩猟採集民の特徴
未知の場所での狩りを成功させるためには、入念に下調べをするし、周囲にも教えを乞う。その結果、強力な協力者たちの輪も実現できるのだ。
〔トレーニング例〕
何か新しい課題に取り組むときには、最低でも5人の専門家や経験者にアドバイスを仰ごう。彼らは助言してくれるだけでなく、あなたの頼もしい味方になってくれる。上司だけでなく部下にメンタリングしてもらうのも有効だ。
■モード3:ファイアウォーカーの特徴
唐突だが、成田山や高野山などの神事で「火渡り」をする修行者を思い浮かべてほしい。彼らは、足の裏にヤケドしないよう注意深く、かつとても素早く歩を進める。結果として、迅速かつ正確にゴールにたどり着ける。
〔トレーニング例〕
リスクを恐れずにチャレンジできるよう、失敗してもリカバリー可能な場面を見定めよう。場を決めたらスピーディに仕事にかかり、素早く小さな成功を積み上げよう。
■モード4:開拓者の特徴
地図も資源も持たない開拓者たちは、ハングリー精神と創意工夫を伴って道を進む。その結果、これまでの限界を超えて、新しい価値を手に入れることができる。
〔トレーニング例〕
ときには思い切って身の丈以上の課題にチャレンジしてみよう。たとえば、新しい分野の仕事をあえて引き受けたり、退路を断って進んだりすることもおすすめだ。
■窮屈な時代だからこそルーキーや新人が輝く
昨今、私たちの仕事や職場環境の変化はますます激しさを増している。大量化、迅速化、情報の有効性の短期化により、従来のやり方はあっという間にどんどん古くなる。そんな時代において、問題解決の方法は固定されたひとつだけではなく、イノベーションやスピード感、膨大な知識が必要といった場面でこそ特に「ルーキー・スマート」の出番だ。フレッシュさを武器に大いに前面に出て行くちょっとした勇気を、つねに持っていたいものだ。
ルーキーの力は、新人には自信を、そしてマンネリ気味のベテランにもフレッシュな力をもたらしてくれる。著者が掲げたモットー「学びを求めよ」という好奇心を胸に、新しい世界にワクワクして向かっていこう。
文=桜倉麻子