パンツにこだわらない男は他人を大切にできない!?【大人の着こなし考】

暮らし

公開日:2018/5/6

 先日アップされていた「@DIME」の『女性ががっかりする男性のパンツの特徴』という記事によると、男性のパンツ(下着)を見てがっかりしたことのある女性が約50%もいるということです。「ワコール」による調査ということで下着に関心のある人が多いというバイアスが掛かっている可能性もありますが、女性は男性よりも下着への関心が高く、そのために男性の下着を見た際にがっかりするというのは納得できる話です。

■女が男のパンツにがっかりする瞬間

 ちなみにがっかりした理由は下記の通り。

■女性ががっかりした男性のパンツ (※「@DIME」より引用)
1位:古い、くたびれている[28.8%]
2位:ブリーフ[15.0%]
3位:色やデザインに問題あり[13.3%]
4位:ボロボロ、破れている[12.5%]
5位:トランクス (ゆったりしているもの)[11.3%]

 このうち2位、3位、5位は個人の嗜好なのでセンスが合うかどうかという問題ですが、1位と4位は単純にパンツに気を使っているかどうかという問題。下着に限らず、くたびれてボロボロになったアイテムを愛用している人がみすぼらしく見え、イメージダウンにつながるのは当然です。

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 ちなみに私自身のパンツ遍歴は、肌着→トランクス→ボクサーブリーフというごく一般的な流れ。若い頃はパンツのブランドやデザインにけっこうこだわっていました。それなりの値段がするのに加え、買い替えるのが億劫なので捨てる際のハードルが上がり、多少くたびれても愛用していました。

 デザインを重視してパンツを選んでいたのはトレンドに乗ったのが理由。1992年に「カルバン クライン」がセカンドラインの「ck カルバン クライン」でボクサーパンツを売り出し、アンダーウェアもおしゃれじゃないといけないというムードを作り出したからです。

 そして現在ですが、優先しているのは着用感と機能性。コストパフォーマンスに優れるパンツを愛用し、くたびれたらすぐにウェブで注文して買い換えるというスタンスです。デザインは大人っぽいシンプルなタイプが落ち着くので自分には合っていると思っています。

■紳士肌着業界のプロに訊くパンツ選びの極意

 現状でまったく問題がないと思っていますが、シンプルなアンダーウェアばかりだと飽きてくるというのも事実。他の選択肢があるかもしれないと思って先日たまたまお会いしたメンズアンダーウェアブランド「TOOT(トゥート)」の枡野恵也社長に、どんなパンツを選ぶべきか聞いてみました。

パンツ選びで大切なのは清潔感ですが、何を選ぶかよりも、こだわりを持ちながらきちんと選んでいることが大事。衣服の中で肌に直接触れている時間が一番長いパンツをないがしろにしているということは、自分をないがしろにしているようなもの。自分自身を思いやれない人が、他の人を大切にできるわけがありません──枡野社長

「TOOT」と言えば、派手な色柄のローライズボクサーパンツというイメージでしたので、少し意外な回答ではありましたが、妙に納得。自分自身、若い時と今とでは選ぶパンツこそ異なりますが、きちんと納得したパンツを穿くことで自分を大切にしているという気持ちになりますし、それが自信にもつながっている気がします。

 Tシャツに短パンでリラックスしている時も、スーツでビシっと決めている時も、パンツは不可欠なピース。基本的には見えないアイテムなので、こっそり個性を主張することも可能です。だからこそ、自分の基準で選んだ納得できるパンツを穿いてこそ、コーディネートが抜かりなく完成します。

 さらに言えば、誰かに選んでもらったパンツを穿かされている男性や、女性をがっかりさせないためのパンツを穿いている男性よりも、自分らしいパンツをきっちり選んで穿いている男性の方が魅力的に映るのではないでしょうか? 万が一、自信を持って選んだパンツでがっかりされたとしたら、センスが合わなかったと諦めもつくはずです。(そもそもパンツだけが理由でパートナーと上手くいかないことなんてあるでしょうか。必ずパンツ以外にも原因があるはずです)

 ちなみに「TOOT」は穿き心地や機能性にも定評があり、日本国内の生産で品質もお墨付き。デザインのバリエーションが豊富でシンプルなデザインも選べますので、本当に納得できるか試し穿きを始めたところです。

文=citrus 「着こなし工学」エバンジェリスト 平格彦