SNS投稿でも人気の『365日スタートアップ大作戦!』で、自己肯定感を上げよう!!
公開日:2018/5/12
最近のブログやインスタグラムの投稿ネタで、OLさんや起業女子を中心にじわりとアップ率が増えていると感じたキーワードのひとつに、「365日スタートアップ大作戦!」があります。実はこれ、『全米最速成長企業のCEO直伝 365日スタートアップ大作戦!』(レット・パワー:著、前田雅子:訳/CCCメディアハウス)という書籍がすすめる、いわば「やってみた」投稿なのです。
■起業家が最初にやるべき365日のミッションを日めくりのように解説
この本はただ読むだけでなく、事業を始めたばかりの1年生が365日(53週)かけてやるべき、「まずすべきこと(テーマ)」と「ノートを使って書き出すこと(ミッション)」について、1日単位で指示しているワークブックです。
そこで読者=投稿者たちは、自分が今どの過程まで進んでいるか、どんなことを考えて、どんな気づきを得たかなどを、書き込んだノートの写真などと共に、ブログやインスタにアップしているわけですね。
ある若い女性は、「起業家向けというけど、自分への理解が深まるし、誰もが使える本」と評価。そこで今日は、この本の推し進める内容がどういったものなのか、少し具体的にお伝えしましょう。
第1週「情熱と目的」──。これが最初の週のテーマです。その解説として著者は、「これから事業を展開して成長し、夢に描くような人生のためにすべきことを決める前に、まず初心に戻ろう」と提案します。その“初心”とは、自分が起業ややりたいことを最初に決めたときの自分に戻ること。そして、その初心を取り戻すための第1週の課題が、細分化して与えられていきます。
たとえば第1日目は「目的を見つける」──。これが365日の初日のテーマです。著者が与えるこの日のミッションは、「個人の目的、会社の目的、会社におけるあなたの目的をノートに書こう」というもの。
鋭い方はお察しの通り、与えられるテーマやミッションは、特に実務的な内容ではありません。とりわけ序盤のテーマを見渡すと、第3週「メンタルモチベーション」、第4週「精神的なアドバイス」、第5週「起業家のメンタル」などが並び、それらのテーマを具体化したミッションにも、「自分と対話」「メンターを探す」「不安や怖れを分解する」などが続きます。どちらかというとメンタルトレーニングに近い内容が多いですね。
「そういったことは、起業前にするんじゃないの?」と、感じる人もいるかもしれません。ですが、このテーマとミッションの数々は、じっくり考案され数々の実践を経てきたメソッドであり、実際に著者が共同設立した玩具会社「ワイルドクリエーションズ」は、2007年にビジネス系の月刊誌で「いま最も急速に成長している米企業」にも選出されたという、実績ありの手法なのだそう。
■365日のテーマとミッションは、あなた個人のお悩み解決にも有効
私たちが日常生活にも活用できそうな興味深い例では、SNS活用派向けにこんなミッションもあります。
第13週目のテーマは「自分をマーケティングする」で、ミッションには、「自分を特別にしている要素を5つ書き出す」「自分を20秒で宣伝する動画の脚本を書く」「SNSのプロフィールをアップデートする」などがあります。これに沿って自分のSNSを見直すと、より効果的に活用できそうですね。
起業にとって必要なマネジメント全般、顧客や従業員との関係性の構築、組織づくりなど、実務的なテーマやミッションもこなしていくのですが、本書全体を読むと「なんか楽しそう! とりあえず始めてみるか」と感じさせるミッションが多いようです。まるで、自分を見つめ直すゲーム感覚で楽しめるというのが本書の最大の魅力であり、それがいま、冒頭にあげたように女性たちにウケている理由なのかもしれません。
著者は、本書を読む人が得られるゴールとして、
(1)自分のことがより理解できるようになる
(2)仕事上の人間関係がより強力になる
(3)今よりも幸福で、自信に満ち、優秀なリーダーになる
の3点をあげています。
筆者の感想としては、起業に関する大きなゴールにとらわれず、「自己肯定感を強めたい」「もっと自信が持てるようになりたい」と個人的に壁を感じて悩んでいる方にもぜひ読んでいただきたいと感じた1冊です。
文=天野みこ