危ない会社の見抜き方、ズバリ教えます! 高級スーツでも○○○が汚い社長はダメ
公開日:2018/5/30
「入社を考えたいけど、この会社で大丈夫かな?」「新しく営業をかけたいけど、優良企業ってどこならいいの?」会社を見分ける眼力があれば…と思うことも多いのでは。
こんなときに「ヤバイ会社」の見分け方を教えてくれるのが『しくじる会社の法則』(高嶋健夫/日本経済新聞出版社)だ。中小企業からグローバル企業まで、取材歴35年の著者が足で稼いだ見分けポイントが満載の1冊となっている。
■まずはチェック! しくじる会社の法則とは
本書巻頭のチェックリストからいくつか抜粋してみよう。
チェック1 □社長らしく、いつも高級スーツ、忙しいからメガネを拭くひまなどない
チェック2 □待望の本社ビルが完成!新築オフィスは会社の顔だ
チェック3 □最寄り駅から乗ったタクシー、社名を告げたら「住所は?」
どれもよくみる光景。だがチェックがついたら、そこは残念ながら「しくじり会社」としての有望株だそうだ。なぜダメなのか? その理由を挙げていこう。
■社長、建物、周囲の評判…要チェックのポイントは――
(1)「社長」篇
・チェック1 □社長らしく、いつも高級スーツ、忙しいからメガネを拭くひまなどない
上記の社長さん、バリバリ働いていそうな印象なのに、どこがダメ?
その答えは「メガネの汚れ」。著者によれば、いくらブランドスーツに身を包んでいても、小物の手入れにこそ普段の心掛けが現れるとのこと。見栄と本性のアンマッチが出てしまうのが、このスーツとメガネの組み合わせということだ。
(2)「建物」篇
・チェック2 □待望の本社ビルが完成!新築オフィスは会社の顔だ
本社が新築じゃいけないの? 業績が伸びてきている証拠だと思うけれど…。そう思ったあなたは要注意。中堅・中小企業のケースでは、これがNGの鉄板項目だそう。
著者いわく「本社は管理部門がメインなので、直接おカネを生まない設備」。そこにこだわる企業は「見栄っ張りで派手好きなんじゃない?」と手厳しい。社長や幹部の経営姿勢がここで判断できる。
(3)「周囲の評判」篇
・チェック3 □最寄り駅から乗ったタクシー、社名を告げたら「住所は?」
地元の情報には地元のタクシーが強い。住所を言わず「A社までお願いします」で話が通じたら、地場での認知度は○。その逆ならちょっと心配かも。
地元グルメのお店チェックも基本だ。ディープな本音を聞きたいなら、単身赴任族が集まるお店を探してみよう。「ヨソ者」同士の連帯感で、一気に心を開いてもらえるチャンスがあるという。手間はかかるが、リアルな情報にはそれだけの価値がある。
(4)番外篇:手軽な企業チェック
しくじり会社のチェックは、自宅にいながらにしてもできる。たとえば、企業ホームページについては、情報の更新頻度に極端なばらつきがないか、などのポイントが挙げられる。また、レジャーとして人気のビール会社や航空会社などの工場見学ツアーも立派な視察チャンス。楽しく参加したついでに、作業動線や段取りなどのマネジメント面に注目してみよう。
著者は日本経済新聞社の記者出身でビジネス界の事情に造詣が深い。企業ウォッチ歴35年のフィールドワークを背景に王道から小ネタまで押さえた本書は、会社選びの心強いパートナーとなるだろう。
文=桜倉麻子