SNS拡散は意図的に狙える! 読者を引き付けるためのWEBテクニック
公開日:2018/6/19
せっかく公開したコンテンツは、どうせなら多くの人に見てほしいし、シェアしてほしい。SNSが当たり前のものになった今、編集者やライター、広報担当者だけでなく、幅広い層の人たちが「どうすればコンテンツをシェアしてもらえるか」を考えている。独り言用や身内同士の絡み用に開設したアカウントでない限り、やっぱり反応をもらえれば嬉しいのが人というものだろう。
『SNSでシェアされるコンテンツの作り方』(清水将之/エムディエヌコーポレーション)には、シェアなどの拡散を意図的に狙うノウハウが詰まっているらしい。意図的に狙うことができれば、ここぞという時に最大限の効果を発揮させられる。では、具体的にはどんな方法が挙げられているのか。
まず、シェアには5つの動機がある、と書かれている。(1)他人を楽しませる要素があり、高い価値が認められる。(2)他者の中から他人を際立たせる。(3)個人的な関係構築に利用する。(4)自己実現。(5)社会貢献。この5つのうちいずれかの動機があった上で感情が高揚すると、人はシェアしたくなるそうだ。
確かに筆者も、TwitterやFacebookなどでシェアする時、何かしらに感動してテンションが上がったものをシェアしているように思う。その時、少なからず「これ見て!」と思っている。つまり、完全に(1)に当てはまっている。たまに自分のためだけに、記録の意味でシェアすることもあるが、これは(4)に当てはまりそうなお役立ち情報的なものが多い。こうやって思い返すと、本当に、かなりの率でどれかに該当している。
また、コンテンツを発信する時間も、かなり大きな差につながる。この時間は平日と休日でも違っており、さらにツイート数の多い時間帯とも異なっている。ツイート数が多いのは平日・休日ともに21時頃なのに対し、シェアされやすい時間帯は平日なら11時と15時、休日なら12時と14時、とある。平日の15時、というのは予想外だったので個人的に試してみたのだが、結果としては昼過ぎや夕方の方が反応してもらえたため、つながっているユーザー層によって変わってくるのかもしれない。しかし、時間帯による差は確かにかなり大きい。効果的な投稿を狙うなら、早い段階で、自身の求めるユーザーがシェアをしやすい時間を探るのも大事なことだとはっきり分かった。
そして、ただ宣伝するのではなく、コンテンツをバイラル化することも大切。“バイラル”とは話題性のことで、商品やサービスをユーザーの気になる情報と結びつけて発信する方法だ。露骨な宣伝に比べて抵抗が少なく、まだ商品に興味がない層にも読み物として楽しんでもらいやすい。
このように、この『SNSでシェアされるコンテンツの作り方』には、人に見てもらい、シェアしてもらうためのワザが分かりやすく紹介、解説されている。専門的な知識がない人でも、日ごろからSNSやブログを利用している人ならばすんなり入ってくる書き方なのもありがたい。ここで挙げたものは、本書に書かれている内容のほんの一部にすぎない。他にも写真の効果的な使い方、各SNSでの反応の違い、タイトルの付け方などがかなり具体的に書かれている。こういったことに興味があり、これから勉強したい!という人にとっては必携の一冊だ。読み終わる頃には、きっと自身のコンテンツに変化が現れることだろう。
文=月乃雫