お金の知識は社会人としての当たり前。給与明細の数字の意味、知っていますか?

ビジネス

公開日:2018/6/27

『デキる大人になるレシピ マナーとお金まるわかり』(松田満江・曲尾 実/日経HR)

 大人だろうが何だろうが、経験がないことは初めてであり、分からないことだって当然ある。しかし、こちらの事情と関係なく、その「知らないこと」は突然やってくる。そしてあたふたしている間に「常識がない」と言われてしまう。みんないったい、どこで覚えたの…? そう自分の未熟さを突き付けられ、途方にくれる。

 そうならないためには、学生としての勉強とは違う、社会人のための勉強が必要になってくる。そのように、大人として生きていくために必要な知識をひとまとめにした『デキる大人になるレシピ マナーとお金まるわかり』(松田満江・曲尾 実/日経HR)という本が登場した。本書は、社会人としての立ち居振る舞いやビジネスマナー、冠婚葬祭のマナー、知っておくべきお金の常識など、今までの「知らなかった!」を教えてくれる本だ。

■自分の給与明細の数字が表す意味をちゃんと把握できてる?

 中でもお金についての常識は、暮らしていくうえで非常に大切で基本的なことでありながら、自分で学ぼうと思わなければなかなか知る機会がない。今の時代、よく分からないままにただ働いて、お給料を銀行振り込みで貰って、何となく使っている…という状況ではなかなか貯金もできないのが現状だ。人生を通してお金に困らないよう、自分の扱うお金についてきちんと理解し、行動する必要がある。お金について考えることに後ろめたさを感じる人も多いが、お金の話題は決して悪いことではなく、むしろ「対処しなければならないこと」なのだ。

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 例えば、給与明細の見方、年末調整や源泉徴収、確定申告、さらには勤務形態や労働条件、残業代も、お金にまつわる基本として大事なこと。運用や貯蓄に手を伸ばすのも大事だが、まずはこういった暮らしに身近な数字の意味や詳細を知っておくことで、“知らずに損をする”ということをなくせる。雇われる側には権利があり、雇う側には義務がある。しかし残念ながら、きちんと状況把握して主張しなければ得られないものも多いのが現実だ。

 こういった基礎的な知識を持ったうえで、得たお給料を活かす貯蓄の仕方、使い方を学んでいく。無理のない、自分に合った家計簿の付け方、銀行の選び方、クレジットカードの選び方や支払い、先取り貯金、保険など、この本を通じてできるようになることを挙げればキリがない。一度に全て手を付けようとするとなかなか難しいため、一歩ずつ、できることから少しずつ始めて慣れていくことが大切。最初は面倒かもしれないが、仕組みが分かってくると、意外と楽しくなってくるものだ。

『デキる大人になるレシピ マナーとお金まるわかり』を読んでいると、こういう“社会人としての当たり前”は、30代、40代になってもまだ意外とよく分かっていないのでは、と感じる。早く始めるに越したことはないが、遅くなったからといって知らないままでは確実に損をしてしまう。本書を読んで少しでも早く多くのことを認識し、計画的に動くのが得策だ。知らずにやり過ごして困るのは、自分自身だ。

文=月乃雫