意見を通すにはコツがいる! あなたの主張が通らない3つの理由とは?
公開日:2018/7/2
自信がある提案や、これって当たり前のことでは?と思うようなアイデアであっても、それが必ずしも上司や取引先に受け入れられるとは限らない。予算や人手が足りない、もしくは何らかの理由があれば納得もできるが、“イマイチ伝わっていない”だけで却下されてしまうのは、やっぱり悲しいし悔しい。いったい、どう伝えればよかったのか…。そういう残念な経験をしたことがある人も多いはず。
そんな人にオススメしたいのが、この『意見・主張が通る「伝え方」』(石田健一/明日香出版社)。この本は、タイトル通り、意見が通らない理由をパターン別に解き明かし、会話や提案をスムーズに進めるための方法が書かれている。
■あなたの意見が伝わらない理由は次の3つのうちどれ?
本書によると、言いたいことが伝わらないのには「3つの理由」があるという。
(1)伝える内容を増やせば伝わると勘違いしている
(2)考えをまとめる前に話しはじめてしまう
(3)相手の状態を確認していない、つかめていない
こうやって文字にして見ると「どれも当たり前のことでは」と思わなくもないが、会話をしているうちに話が逸れてしまったり、そのまま勢いで話してしまったりするのはよくあることだ。そうなると、本来言いたいことが何だったのかという着地点を見失ってしまう。それでは相手を混乱させてしまっても当然だ。
相手を説得するには、まず考えをまとめてポイントを絞り、相手が何を考えているのかを想像しながら話す必要がある。流暢に話せばいいというものではない。うまく話すことよりも、きちんとした情報を的確に伝えることを優先しなくてはならない。きちんと納得してもらってこそ、説得が可能になるからだ。
■ロジカル+感情の組み合わせスキルで、説得力をアップしよう
そこで本書が提案するのは、「あたたかロジカルモデル」という戦法。これは「ロジカル話法」と「感情をつかむスキル」を合体させた技だ。
【あたたかロジカルモデルの基本構造】
アテンション → テーマ → 結論 → 具体的理由 → まとめ
最初にアウトラインを伝えて全体イメージをつかんでもらい、相手のことを考えながら話すことで、意見が通る度合はぐっと変わってくる。このとき、話す内容を3つに絞ってまとめると、より効果的なんだそう。たしかに、前述で「3つの理由」と言葉にしたように、数などを挙げて限定して例示してもらえると、終わりが見えているため安心して話を受け入れることができる。
この『意見・主張が通る「伝え方」』には、この基本構造を元にした伝え方のコツやルールが、具体的な事例を交えて分かりやすく解説されている。話を聞いている相手も人間であるから、その人にはその人なりの状況や考え、関心事がある。相手がどういう状態で、どのレベルで話を聞いているのかを把握することができれば、会話はよりスムーズになる。そしてそれを踏まえて自分の意見を伝えることができれば、会話やコミュニケーションへの苦手意識も減っていくことだろう。
文=月乃雫