婚約者が原因不明の病に――土屋太鳳、佐藤健出演で大ヒット! 映画「8年越しの花嫁」原作がついに文庫化
更新日:2018/7/6
大切な人が原因不明の病におかされた時、あなたは相手に何をしてあげられるだろう。長い闘病生活を乗り越え、8年越しで結婚式を挙げた夫婦を描いた映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の感動が忘れられない。リハビリによって徐々に表情や言葉を取り戻していく花嫁を緻密に演じた土屋太鳳。病におかされた彼女を献身に支える花婿の姿をあたたかく、時に、苦悩に満ちたものとして演じた佐藤健。映画版だけでなく、映画のノベライズ版、コミカライズ版でも大きな話題を呼んだ感動作の描いたDVDがついに発売。
この作品を見たことがある人もまだ見ていない人も、ぜひとも読んでほしい本がある。それは映画の原作となった中原尚志さん・麻衣さん著『8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら』(主婦の友社)。突然の病に倒れた麻衣さんと、そんな彼女を支えた尚志さんが、8年後に無事に結婚式をあげるまでの道のりを綴ったノンフィクションだ。本書の文庫版もこの夏、ついに発売された。
麻衣さんは、結婚式を迎える3カ月前の2007年1月、原因不明の病に倒れた。原因が「抗NMDA受容体脳炎」だと判明したのは1年後。さらに、手術をしても意識が戻るまで回復するにはさらに1年の時が必要だった。そこからも車椅子で生活できるようになるまで6年近くの過酷なリハビリの日々が続く。原作本ではそうした麻衣さんの一進一退の状況を、尚志さんや麻衣さんのお母さんの日記をまじえながら描いていく。
綴られているのは、闘病生活や日々の出来事の淡々とした描写。決してドラマチックにストーリーが展開するわけではない。だが、それぞれの出来事に尚志さんをはじめ、麻衣さんの家族たちが何を感じたのかがありありと描き出される。淡々と綴られているからこそ、その思いがじんわりと心に響く。
尚志さんの麻衣さんへの思いはもちろんのこと、周囲の人たちの思いも感じる。映画では、麻衣さんの両親役を演じた薬師丸ひろ子と杉本哲太が好演。特に、薬師丸演じる母親が、娘の幸せとその婚約者の幸せを強く願うがあまり発する厳しい言葉は、観る者の涙を誘う。原作本においても、2人を支える周囲の人たちの思いを映画以上に強く感じる。婚約者の視点。母親からの視点。最後の、尚志さんと麻衣さんと家族たちのそれぞれの手紙は涙を流さずには読むことができない。
この物語はただの「闘病もの」ではない。お涙頂戴もの、と思って手をつけるのも間違っている。夫婦としての愛、家族としての愛、親から娘への愛。普遍的な愛が描かれているこの作品はあなたの心をそっとあたためるだろう。
なお今なら、映画のノベライズ版と、この文庫を両方買った人を対象に抽選で100名に映画のDVDが当たるキャンペーンを実施中だそう(締め切り9月28日)。この夏、ぜひこの文庫版を読みながら、DVDも手に入れたい。
文=アサトーミナミ
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