美少女の幼なじみが実は自分をオカズにしていたら……自制心崩壊系純愛エロコメ『君は淫らな僕の女王』が乱れすぎ注意

マンガ

公開日:2018/7/8

『君は淫らな僕の女王』(横槍メンゴ:著、岡本 倫:原作/集英社)

 愛の力は偉大だ。『君は淫らな僕の女王』(横槍メンゴ:著、岡本 倫:原作/集英社)の主人公・アキラは、お金持ちの幼なじみである昴(すばる)にずっと恋心を抱いていた。しかし、小学校にあがると同時に、彼女は私立で寄付金も一口100万円レベルで払わなければいけない名門のお金持ち学校に入学。庶民である彼は当然ストレートに入学できるはずもなく、必死に勉強をし、年に数人だけ選ばれる授業料免除枠の特待生として、高校生になると同時に、彼女の学校に入学した。

 かつて仲がよかった幼なじみ二人の再会。久しぶりに会った昴は、かつて彼が「おとこおんな」とからかったようなときの姿とは一変、品行方正で可憐な美少女へと成長していた。変化はそれだけではない。昴は、なぜか彼にだけは冷たい態度をとる。せっかく努力して入った学校で、彼は彼女の態度の変化に落ち込みながらも、彼女への恋心はなかなか諦めきれなかった。

 ここまでだけストーリーを追えば、昴が何かをきっかけに心変わりをしたのか、もしくは久しぶりの再会に照れてツンデレを発揮してしまっているだけなのかな、という程度の予想がつく。しかし、この物語はとある出来事をきっかけに、ものすごいスピードで「エロ」に転がっていくのだ。

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 昴となんとか仲良くなりたい彼は、噂に聞いたおまじないを、半信半疑で唱えてみる。「裏の神様 裏の神様 言うとおりにします」と言ったあとにお願いごとをすると、“何か”を代償に願いごとを叶えてくれるという。ベッドに寝転びながら、自室のクローゼットのドアを昴の部屋とつなげてください、と願ったあと、「アホくさ」と起き上がった瞬間、クローゼットのドアからお風呂上がりの昴が出てくるのであった。

 都市伝説のようなおまじないが、実際に存在していた。おまけに、これは両者が同じ願いごとをするのが条件であり、それは昴も同様におまじないをしていたことを意味する。ちなみに、神様にとられる代償は“自制心”。この日を機に、昴は毎日1時間、自制心を失うこととなってしまう。

 自制心を失った昴の暴走がすごい。周りから品行方正で性的な香りのひとつもしないと思われていた美少女は、実はオナニー中毒で、毎日何度もアキラのことを想像しながら自慰行為を重ねていたのだ。普段のオナニー方法も異常で、もはやド変態の域。

 エロコメの「エロ」がちょっとアブノーマルで過激すぎるが、これだけ自制心を失いながらも一途にアキラにばかり発情する昴はある意味ピュアである。なかなか素直にはなれないが、彼に対する想いは大きい。性欲も人一倍強い。

 身分違いの恋愛ということで、彼らには何度も試練が訪れるが、お互いにセックスに溺れながらも一切よそ見をせずに愛し合う姿はちょっと羨ましい。愛の力は偉大だ。これだけ過激なエロネタまみれの作品なのに、読んだあとちょっと美しいものを見たような気にさせるのだから。

文=園田菜々