やる気が出ない人必見! 脳内の「やる気スイッチ」をポチリと押してモチベーションを上げる方法
公開日:2018/7/11
「やるぞ!」とモチベーションを上げて、がんばりたい。そう思ってはいるけれど、やる気が出ないし、出たとしても続かないなんて人はいないだろうか。『やる気が上がる8つのスイッチ コロンビア大学のモチベーションの科学』(ハイディ・グラント・ハルバーソン:著、林田レジリ浩文:訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、自分自身と他者のモチベーションを上げる方法を紹介している。
病気にかかったら症状や検査などから診断して治療していくように、やる気のない状態を作り出すさまざまな原因を行動パターンなどから探って、心理学的に治療法を見つけていく。本書では「万人に共通する、たったひとつの方法などはない」という考えのもと、人を3つの軸をもとに8つのタイプに分け、それぞれに合ったやる気を出す最適な方法を提案している。
3つの軸 (1)マインドセット
やる気を上げるには、自分のタイプを知らなければならない。それを知るための軸のひとつが「マインドセット」という考え方の癖だという。人は「証明マインドセット」と「成長マインドセット」のどちらかを持っていて、どちらを持つかでタイプが変わる。「証明マインドセット」を持つ人は、他人に自分の能力を証明したい。ミスやできないことを恐れ、不安になり、あきらめるという思考になりやすい。「成長マインドセット」を持つ人は、自分が向上することに焦点をあてていて、他人の目はあまり気にしない。モチベーションを上げるには「成長マインドセット」を持つことが有利に働くのだ。
3つの軸 (2)フォーカス
同じ目標に向かっていても、成功や称賛を得ることに焦点をあてる「獲得フォーカス」タイプの人、リスクや批判を避けることに焦点をあてる「回避フォーカス」タイプの人では、やり方は変わってくる。自分がどちらのタイプであるかを理解して、タイプにあったやり方や、考え方にあったアプローチでやる気を高めていくことがポイントになる。
3つの軸 (3)自信の有無
自信がないと人はなかなか動くことができない。だから、やる気を上げるためには、自信は必須の要素になる。自信がないときは、自信の裏付けにとなる成功体験を積み重ねて、自己効力感を上げていかなければならない。この自己効力感というのは、望む結果を得るために必要とされる能力が自分にはあるという確信だ。難しいと感じる目標や課題をやり遂げたという体験は自己効力感を大きくする。達成した成功体験を豊富に持っていれば、困難な場面に直面しても自信は簡単には揺らがなくなるのだ。こうした自信はやる気へと繋がっていく。
モチベーションを上げる方法はたくさんあるが、いったいどの方法が自分に合うのだろうか。本書を手に取って、自分に合ったやる気を上げるスイッチを見つけてほしい。やる気は人を動かす。生きがいのある人生を送るための、やる気スイッチを知ることはとても大切なことになるはずだから。
文=なつめ