「時間がない!」という言い訳はコレで終わり。3か月ルールを身につけて「やりたいこと」に集中しよう
公開日:2018/7/11
今の仕事のことでも、それ以外のことでも、胸の内に「やりたいこと」を秘めている人は少なくないだろう。だが、「やるべきこと」で溢れる忙しない日々の中で、「やりたいこと」をやりきれる人はごくわずかだ。やりたいことはあるけれど、やれる時間がない――。そんな悩みを持つ社会人に手に取ってもらいたいのが、本書『「3か月」の使い方で人生は変わる Googleで学び、シェアNo.1クラウド会計ソフトfreeeを生み出した「3か月ルール」』(佐々木大輔/日本実業出版社)だ。著者の佐々木大輔氏は、Google在籍時に自らプログラミングを勉強し直し、今や約100万の事業所で使われているクラウド会計ソフト「freee」の原型を、たった“3か月”で作り上げた経験を持つ時間管理の達人。本書では、これまでの佐々木氏の経験をもとに、3か月スパンで効率よく物事に取り組むための時間術が語られている。
■3か月ごとにひとつのテーマに取り組む
著者によれば、“3か月”という期間は、ひとつのテーマに集中して取り組み、何らかの成果をあげることができる「最小の単位」なのだという。グーグルでも「3か月サイクル」というものがあり、3か月で結果が出せるかどうかでそのプロジェクトの命運が決まるのだとか。もし本当にやりたいことがあるのなら、3か月単位でテーマを決め、それを継続して積み重ねていこう。ひとつのテーマに取り組んでいれば、3か月後にはうまくいったこと、うまくいかなかったことがわかり、たいていその次の課題も生まれている。そうすれば、おのずと次のテーマが決まるというわけだ。
■あなたの時間を奪う「時間泥棒」を見つける
3か月でひとつのテーマを回していくには、さまざまな業務を効率化していくことが不可欠だ。そのためには、仕事や生活の中にひそむ「時間泥棒」を見つけなくてはならない。本書でいくつか紹介されているもののうち、思わず膝を打ったのが、“意思決定の「型」をもつ”こと。簡単に言えば、必要以上に悩まないことである。私たちは、1日中大小さまざまな選択と意思決定を行っている。その内容は、朝食や服装をどうするかといったことから、重要な仕事上の判断までさまざまだが、いちいち悩んでいると時間も体力も使ってしまう。そこで、「こういうときには、こうする」という型をもつことで、迷う回数と時間を減らすことができ、本来の仕事がスムーズに進むようになるという。
■とにかくアウトプットをする
どれだけいいアイデアをもっていて、それをやりたいと思っていたところで、それを形にできなければ意味がない。私たちは、最初から“完璧なもの”を作ろうとしがちだ。だが、freeeのプロジェクトでは、「アウトプットが完璧かどうかより、アウトプットしたものから何を学ぶか、そこからどうブラッシュアップしていくかを重視している」という。ひとまず形にすることで、その段階で何が良かったのか、あるいは悪かったのかというフィードバックがすぐに得られるし、頭ではできないと考えていたことが、段階的にやってみたら案外うまくいった…なんてこともあるからだ。物事はアウトプット→思考の順で行うことで、求める結果により近づきやすくなる。
佐々木氏は、このように3か月スパンで効率的に物事に取り組み、それによって生まれた時間で、最終的には“非効率なこと”に時間と情熱を注ぐことをゴールとしている。それは、企業文化や人との信頼関係を作り上げることや、本や映画で何かに感動すること、そして大切な人とゆっくり時間を過ごすこと…。こうした“非効率なこと”は、人生を豊かにしてくれ、仕事にも良い影響を与える。あなたも“3か月”という時間ルールを使いこなして、「やるべきこと」に追われる日常を、「やりたいこと」に熱中する日々にバージョンアップしてみてはどうだろうか?
文=中川 凌