「先延ばし癖」は人生を不幸にする!? でも大丈夫。これ1冊で「すぐやる派」に大変身‼

生き方

公開日:2018/7/18

『DO IT NOW いいから、今すぐやりなさい』(エドウィン・ブリス:著、弓場 隆:訳/ダイヤモンド)

 みなさんは、「すぐやる派」それとも「先延ばし派」? 夏休みの宿題も、日々の片付けも、課題のレポートも、会議用の企画書もすぐやる派だったなら、本書は不要だろう。

 一方、「子どもの頃からなぜか後者なんだよね~」といった重症な方から、「ケースバイケースかな」という自覚症状としては軽いという方々に、ともあれ読んでいただきたいのが『DO IT NOW いいから、今すぐやりなさい』(エドウィン・ブリス:著、弓場 隆:訳/ダイヤモンド)だ。

 著者のブリス氏は、新聞記者や議員秘書を経験後、米国のビジネストレーナーとして、先延ばし癖と時間管理に関するセミナーで人気を博している人物だ。本書には、これまでの著者の経験則と、歴代の著名人や成功者たちの行動データ分析、心理学的な実験データなどを交えて得られた、「先延ばし癖を克服する知恵」がギッシリと詰まっている。

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 先延ばし派の多くは、「最終的にはやるから問題ない」など、先延ばし癖をささいな欠点くらいの軽い気持ちで考えている。そこでまずは本書から抜粋した、ブリス氏からの痛烈なメッセージをお読みいただこう。

 先延ばし癖は、能力を存分に発揮していない人だけに共通する傾向です。
 (先延ばしという)重要なことをしないのも罪悪です。
 先延ばし癖は、充実した人生を遠ざけている主な原因。
 先延ばしという「心の悪性腫瘍」を何としてでも取り除く決意が必要です。

 著者によれば、先延ばし癖は、あなたの本来、もっと素晴らしいはずの人生を遅延させる、罪なのだ。ではさっそく、長年身にしみ込んでしまった罪を、いかに祓(はら)うのか、いくつかのノウハウを紹介しよう。

 まず本書を読む前に、あなた自身の「4つの先延ばしリスト」を書こう。下記4項目、いくつリストアップしてもOK。

1.仕事関係で「企画書作成」「経費精算」など、先延ばしにしていること 
2.家庭のことで「片付ける」など、先延ばしにしていること 
3.人間関係で「電話する」など、先延ばしにしていること 
4.個人的目標で「英語を学ぶ」など、先延ばしにしていること

 きっと先延ばし派は、リスト作りも「うん、あとでやる」と言ってやらないだろう。だが、すでに試練は始まっている。著書からの一言は「いいから、今すぐやりなさい」。そして本書を読み進めてほしいと、著者は記している。なぜリストを作るのか、その理由は「先延ばしの原因を分析することが必要」だからだ。

 本書第2章「今すぐできる先延ばしの11の対策」の第1番目に著者は「どんな先延ばしにも『明確な原因』がある」をあげ、「原因の明確化」をするよう勧めている。

「優柔不断」「情報不足」「疲労や恐怖心」「劣悪な環境」「時間がない」など、先延ばしにはいろんな理由がある。それらをまず、自分が作ったリストを見ながら、どれに該当するかを調べてみよう。

 すると、自制心のなさ、意志力の弱さ、モチベーションの欠落、コンディション不足など、克服すべきポイントが見えてくる。本書には、こうしたポイントをどうやって補えばいいのかが記されているので、自身の弱点克服に活かすことができる。

 また、「今すぐできる先延ばしの11の対策」の第9番目には、「ポジティブな独り言を言う」をあげ、著者は「自分との対話」を奨励する。

 これは「一人きりになり、声に出して自分に話しかける」やり方で、話しかける言葉は「さあ、今すぐやろう。やればできる」などポジティブなものに限るそうだ。

 シンプル過ぎてにわかに信じられないだろうが、多くの心理学者や成功者たちが「ポジティブなアファーメーション(肯定的な自己宣言)が、心の姿勢を改善し、セルフコントロールを高める」ことを認めているそうだ。

 他にも、「すぐやる派」にすぐになれる多くのヒントが満載で、かつ、タイトルがそのままズバリのメッセージでもある本書。読み終わった後は、本棚にしまわずに、机周辺の目につきやすい場所に置き、日々、背表紙から届く「いいから、今すぐやりなさい」を眺め、アファーメーションすることをおすすめしたい。

文=ソラアキラ