【HSCの育て方(思春期~青年期編)】急激に大人の世界へ近づく多感な時期はどう接する?
更新日:2018/8/3
突然だが「HSC(Highly Sensitive Child=ひといちばい敏感な子)」という言葉を知っているだろうか。子ども全体の15~20%の割合で存在するといわれているが日本での認知度はまだ低い。HSCは、生まれつき人一倍敏感な感覚を持っている。そのためママ友や学校の先生から「他の子と違う」と言われてしまったり、発達障害だと思われてしまったりすることも多い。親自身もどう我が子と向き合っていけばよいのか悩んでしまうこともある。そんな悩みを解決すべく、日本初のHSC解説本『ひといちばい敏感な子』(エレイン・N・アーロン:著、 明橋大二:翻訳/ 1万年堂出版)から全4回に分け、成長段階ごとにできるHSCの我が子への接し方をご紹介している。最終回の本稿では、思春期から青年期の接し方を見ていこう。
■思春期に意識したい7つのポイントとは?
急激に大人の世界へ近づく思春期やひとり立ちをし始める青年期は、子育ての仕上げを行っていく時期。
多感な思春期はHSCに「自分は十分に理解され、サポートしてもらっている」「自分のペースで大人になっていけばいい」と感じさせてあげる必要がある。この礎をしっかりと築くことができれば、危ない世界に入り込んだり、自己肯定感の低い大人になったりしないという。
この時期のHSCは「大人の顔」と「子どもの顔」を持ち合わせるため、反抗的でそっけない態度を取ることも多くなる。しかし、親は見放すのではなく、約束やマナーを守ることを教えていこう。そのためには、7つのポイントを意識してみてほしい。
1.親以外にも子どもの相談相手を見つけておく
2.アドバイスは押し付けがましくしない
3.いつも愛情を伝える
4.日頃から子どもに意見を聞き、思考力を伸ばす
5.子どもを信頼する
6.適度な距離を取る
7.父親の手助けも借りる
思春期になるとHSCも大胆な行動を見せるようになるが、プライバシーを守りつつ、自立を促していくことが大切になる。自分の世界をしっかり持ててこそ、大人への第一歩は踏み出せるようになる。
また、青年期には子どもの自立のため、親も子離れをしなければならない。HSCは他の子と違うと思われることも多いが、一方で思慮深く、直感力に優れており、人を公平に見ることもできる。HSCの将来は親の関わり方やサポートによっても大きく変わるので、育て方に悩んだときは本書を手に、親である自分ができることを発見してほしい。
文=古川諭香
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