「捨てる or 残す」はどう決める? 思い切って家中を片づけるとき、まずすべきこと

暮らし

公開日:2018/7/27

『モノを元に戻す技術 片づいた部屋があれば、大抵のことはうまくいく』(ドミニック・ローホー:著、笹根由恵:訳/KADOKAWA)

「片づけ」が歯磨きのように、当たり前の習慣になったら、どんなにいいだろう……。そんな切なる願い、祈りをしっかりと聞き届け、叶えてくれるのが『モノを元に戻す技術 片づいた部屋があれば、大抵のことはうまくいく』(ドミニック・ローホー:著、笹根由恵:訳/KADOKAWA)です。

 これから3回にわたり、本書のエッセンスをご紹介していきます。第1回目のテーマは「片づけ(選別)を進める順番」です。

 まずは著者のドミニック・ローホーさんをご紹介します。フランス生まれで、ソルボンヌ大学で修士号を取得。イギリス、アメリカ、日本の大学で教鞭を取り、現在は京都在住。様々な国に移り住む中で「快適に暮らすために必要最小限のモノだけを持つこと」を実践し「シンプルライフ」を提案。その知恵を記した『シンプルに生きる』(講談社+α文庫)は、世界的なベストセラーになりました。

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 そんな著者による本書には、いくつかの特徴があります。
 オーソドックスな片づけのテクニックに加え、箱やキャビネット、バー、カーテン等を最大限に活用する創意工夫の数々が学べること。
「捨てるor残す」を選別する際に強い味方となる、著者ならではのシンプルライフ選別法・発想法もしっかりと学べること。
 著者は「禅」にも精通しており、本書では、片づけが私たちの心や生き方、幸せな日々や人生に、どう寄与するのかなどの深い部分、いわば“片づけの奥義”が学べること、などなどです。

 では、ここからが今回の本題です。思い切って家中を片づけるとしたら、まずすべきことは散らかったモノたちを「捨てるor残す」で選別すること。
 その際、どんな順番で選別を進めるといいのか、著者はこう教えています。

●片づけ(選別)の5つのカテゴリーと進める順番

(1)衣類とあらゆる布製品(シーツ、ベッドカバーなど)
(2)本と書類
(3)食器、キッチンツール、食品類
(4)小物類(文房具、小型電子機器、DVD、CD、大工道具、薬品、アクセサリー、バッグ、靴など)
(5)思い出の品(手紙、写真、ぬいぐるみなど)

 著者によれば、最初に衣類や布製品から選別することで、「即効性のある魔法のような効果が現れる」そうです。というのも大抵の場合、いちばんの乱雑さを生みだしているのは衣類。それを選別してしまえば「満足感が得られ、次のカテゴリーに取り組む勇気が倍増する」というわけです。

 また、「思い出の品」を最後にする理由は、「選別するのが感情的にもっとも難しいから」なのだそう。他のものを先に選別してしまえば、ゆとりができ、慎重かつ理性的に、思い出の品の選別ができるそうです。

●「捨てるor残す」を決める際のオススメ選別法

 では、片づける際に「捨てるor残す」はどう選別するのか、著者オススメのやり方をご紹介しましょう。

・まず集中力を高めるために、ラジオ、テレビ、ステレオ等はすべてオフにして、静寂な環境を作る。
・これから選別する、目の前にあるモノ一つひとつに意識を向けて注意を払う。
・次に、一つひとつのモノと対話する。そのモノがあなたの家にいて幸せかどうか、大切にされていると感じるかどうか、手入れされていると感じるかどうか、役立っていると思うか、価値を認めてもらえていると思うかどうか、尋ねてみる。
・こうしたプロセスを経た後、「必要不可欠なものと、(あなたの生活に)本当に喜びをもたらしてくれるもの」を残すようにする。

 本書には、上記5つのカテゴリー別に、さらに詳細な選別の際のポイントが記されていますので、ぜひ、参考にしてください。

 片づけとは、「日常を整理し直すこと」。そして、自分の生き方のちょっとした欠点に気づくこともでき、安らぎや安定、幸福の場を作ることになると著者は記しています。
 そんな“片づけの奥義”をぜひ、本書で学んでみてくださいね。

文=松本ひろこ