戸次重幸「三部作品の子ども像には、自分の最もピュアな部分を刺激されます」
更新日:2018/8/30
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、フジテレビ系ドラマ、木曜劇場『グッド・ドクター』に出演中の戸次重幸さん。大好きなマンガ家、三部けいさんの作品とドラマへの思いを聞いた。
マンガ読みとして知られる戸次さんが紹介してくれたのは、『僕だけがいない街』で大きな注目を集めた三部けいさんの最新作『夢で見たあの子のために』だ。
「『僕だけが~』は“再上映(リバイバル)”という特殊能力が題材でしたが、今回は双子の共感性が描かれています。でもそれはあくまで作品の材料に過ぎず、三部先生の主眼は物語のもっと深いところにあって、そこを紡ぎ出す力が先生の作家性のすごいところだと思います。主人公の中條千里も幼馴染みの恵南もとてもかっこよくて素敵なキャラクター。ちなみに僕は、先生の女性キャラの唇も好きなんですよね。ぽってり厚くて絶妙な色っぽさを感じます(笑)」
ちなみに最近の読書スタイルには、ある変化が。
「結婚後、マンガの新刊は電子書籍で購入するようになりました。家にものを増やせないから。実はちょうど老眼が始まりまして、おあつらえ向きなんです、これが(笑)」
今、戸次さんはメディカル・ヒューマンドラマ『グッド・ドクター』で小児外科の科長・間宮を演じている。サヴァン症候群で自閉症スペクトラム障がいのレジデントという難役に挑んでいる山﨑賢人さんをはじめ、上野樹里さん、藤木直人さんら共演者とのチームワークも素晴らしいという。
「僕や山﨑くんは、空き時間には藤木さんに六面立体パズル“キューブパズル”を習ってます(笑)。藤木さんは、ものの30秒くらいで6面を完成できるものすごい腕前なんですよ。上野さんは、演技に対して驚くほど熱心で真摯な方。ずっと監督や製作陣と話し込んでいらっしゃる。役に対して深く掘り下げて理解を深めた上で、本番に臨んでおられるんですね。役者は総合芸術ですから、遠慮なくお芝居ができる関係性じゃないといいものが作れない。その点、『グッド・ドクター』の現場は最高の雰囲気だと思います」
(取材・文:松井美緒 写真:山口宏之)
ドラマ 木曜劇場『グッド・ドクター』
原作:『グッド・ドクター』((c)KBS. 脚本 パク・ジェボム) 出演:山?賢人、上野樹里、藤木直人、戸次重幸、柄本 明 フジテレビ系 毎週木曜、夜10時放送
●東郷記念病院の小児外科に新任レジデント・新堂湊がやってきた。彼は驚異的な能力を持つサヴァン症候群である一方、自閉症スペクトラム障がいだった。「すべての子どもを大人にしたい」という湊の温もりが患者の子どもや家族、そして病院を変えていくメディカル・ヒューマンドラマ。