クラスの女子に脅され二股開始!? 官能小説から始まる男子高生の淫らな高校ライフ

マンガ

公開日:2018/8/4

『クラスに彼女が2人いる。』(講談社)

 あなたは、同時に誰かを二人、好きになったことはあるだろうか。

 永野マチが描く『クラスに彼女が2人いる。』(講談社)は、一見純朴そうな文化系のカップルに訪れた、淫らな危機を描いた恋愛物語だ。

 主人公の速水誠一は、文芸部に所属し、小説を書くことが趣味の生粋の文学少年。誠一は、同じ文芸部に所属し、いつも同じ本を借りている木暮芽吹に想いを寄せ、アタック。2人は見事、お付き合いすることに。芽吹は、ちょっと地味だが、巨乳で顔も可愛らしい。また、純粋で、誠一がつなごうとした手を払いのけてしまうなど、少し潔癖な様子も見せる。

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 恋愛に不慣れな、文芸部カップルの穏やかな日常。しかし、誠一には、とある秘密があった。

 それは、彼が好んで読み、自分でも書くのが、「官能小説」というジャンルであった、ということだ。キスすらもしていない、まっさらな芽吹は、しかし誠一の小説の中では淫らに犯されていた。誠一は、そんな妄想の小説をノートにこっそりと書きながら興奮しつつも、これが決して芽吹にバレてはいけないものだともわかっていた。

 そんな秘密を抱えていた誠一に危機が訪れる。ひょんなことから、クラスで明るい社交的なギャル、江連愛子に彼の官能小説を書いたノートを見られてしまったのだ。誠一とはまるで違う、目立つグループに所属し、スクールカーストでいえば上位に君臨する愛子。奔放な彼女に見られた瞬間、誠一は「終わった」と絶望する。

 しかし、それは終わりではなく、まるで官能小説のような淫らな生活の「始まり」だったのである。

 誠一の弱みを握った愛子は、「二股しちゃおっ」と提案する。予想外の展開に青ざめる誠一。なぜ、可愛くて人気者の愛子が、誠一に付き合おうと言ってくるのか。ただ、官能小説を脅しにギャルが二股を迫ってくるという状況は、正直美味しすぎる。

 芽吹を一心に想う誠一は、愛子の度重なる淫らな誘いに、抵抗し続ける。無理やりキスされたり、満員電車で触られたり、風邪をひいて寝込む誠一のベッドに潜り込み乳首を舐めたり……愛子の暴走は、回を追うごとにエスカレートしていく。

 可愛いギャルにここまで迫られて、はたして誠一の理性はもつのか? そもそも、無理やりとはいえ、芽吹と愛子、クラスで同時に二股をすることはバレてしまわないのだろうか? 愛子の怖いもの知らずの行動に、読んでいるこっちがヒヤヒヤしたりドキドキしたりしてしまう。

 そして、純朴そうに見える芽吹の心の中も少しずつ垣間見えてくるのだが、それがまた、エロい。タイプの違う女の子二人に翻弄される誠一。そして、増えていく「淫ら」なキャラクター。現在は2巻まで発売されているが、物語の展開とエスカレートするスピードが速すぎて、完全に後戻りできない状態。

 はたして誠一と芽吹カップルはどんなゴールにたどり着くのか。愛子がここまでして誠一にちょっかいを出す目的は。まだまだ真相が隠れているような気がして、目が離せない。

文=園田菜々