開けて開缶・食べて快感! 熱いのはサバ缶だけじゃない!? すごい缶詰の世界
公開日:2018/8/12
いま、日本は空前のサバ缶ブーム。コスパの良さとお手軽さから、メディアには毎日のように「サバ缶レシピ」が登場する。しかし! 売れすぎていてスーパーでは買えな~いッ! でしょう? でも、他にも魅力的な缶詰はたくさんあるんです。さすがフード・イン・ジャカン! (food in the can)
というワケで、お中元や旅行の季節ということで、『今すぐ食べたい! すごい缶詰150』(イカロス出版)から、「贈り先別おすすめギフト缶」を独断でチョイスしてみたいと思います。
■味にうるさいグルマンな紳士淑女に「ジビエ缶」
缶詰の食材といえば、「魚」「フルーツ」「鶏肉」などの「庶民的」なイメージがあるが、珍しい食材の缶もたくさんある。くじら、エゾシカ、ウマ、猪、ヒグマ、トドにアザラシといった猟師・漁師による食材を使った「ジビエ缶」。味付けも、カレー、大和煮、味噌煮、南蛮漬、アヒージョなどと和洋さまざま。
「SOHOLM GIBIER CAN 鹿肉のポワブラート」
エゾシカ肉のポワブラート(黒胡椒煮)。「ワインの渋みと栗とレーズンの甘みを、黒胡椒がキリッと引き立てる」大人の味は、白いご飯にも合いそうだし、お酒のぜいたくなつまみとしてもイケる。缶や外箱のパッケージもおしゃれなので、グルマンな紳士淑女に贈れば、あなたのセンスの良さもアピールできちゃう!
■笑顔をみたいあのひとに、カン味処の本格「スイーツ缶」
筆者が子供の頃の「スイーツ缶」といえば「冷たいな♪ 水ようかん」とか、プッチンプリンとはなにかが違う「プリン缶」や「フルーツゼリー」が多かったけれど、今は「カップケーキ」や「生チョコレート」まで缶詰になっている。
「北海道産かぼちゃぜんざい」
シンプルなモノクロデザインのパッケージだけでも「美味しそう」で「落ち着いた」スイーツな時間を予感させてくれる。最近疲れ気味のあのひとに、かぼちゃぜんざいの甘みでほっこりした気分を味わってもらえば、きっと優しい笑顔が見られるはず?
■SNS大好きな意識高い系オトモダチに「映え缶」
缶詰は中身も大事だが、パッケージもポイント! どうせ贈るのならば、舌でも目でも味わってもらいたい。
「kippis® サーモン(各種)」は、コルクの蓋付き、「La Cantine 鯖フィレエクストラバージンオイル漬」は、白地に青の模様がまるで陶器のよう。「SOHOLM」のジビエ缶シリーズも「映え缶」としてもオススメ。最近、あの人のSNSのネタも尽きてきたな…なんて感じたら、ぜひ贈ってあげよう。写真が載ったら、珍しく気持ちをこめて「イイネ!」をクリックできること受け合いです。
■ニクい“カンチクショー”に恐怖の「置き土産缶」
贈り物なんてしたい相手はいない! どうせ明日にも会社を辞めるんだ! そんなあなたには「置き土産」をオススメしましょう。
「シュールストレミング」
「世界一臭い食べ物」といわれるスウェーデン発祥のニシンの塩漬け缶詰。「sur」は酸っぱい、「strömming」は「バルト海のニシン」という意味で、塩を節約するために、塩漬けではなく「塩水漬け」にしたところ、恐ろしいほど発酵してできたそうです。そんな臭いものを最初に食べた人の気はしれませんが…フタをちょっと開けただけでも悶絶するほど臭いこの缶詰。もし、会社を辞めるとき、許せないヤロウがいたのなら、ぶん殴るのではなく、机の引き出しの中に、小さなアナを開けたこの缶詰を置いて立ち去れば…。なんてことはしちゃダメですよ。
世界最悪臭のシュールストレミングの食べ方も紹介されていますから、みんなで「肝試し」に食べてはいかがでしょう?
■生命の補カン・明日の自分に「非常食缶」をお忘れなく
地震や大雨など、昨今の日本は異常気象に見舞われることも少なくない。自分だけは大丈夫などと言わずに、今一度、非常袋を点検して、食べ物も確認しておこう。
缶詰は「保存食」としてとても心強い味方だ。缶詰全般がオススメなのだが、その中でもスーパーなのはこれ!
「サバイバルフーズ 野菜シチュー」
お値段は2800円と少々高価だが、保存期間は25年! 調理後にフリーズドライ加工されているので、水やお湯で戻して食べると2.5食分くらいになるそうだ。もちろんドライのまま食べることもできる。缶は計量カップとしても使えるとのこと。10食入の大きな缶もあり、家族の人数などに合わせて選べるのもありがたい。明日の自分に贈ってあげよう。
ちなみに筆者は、いつか大儲けしたら、業務用のドデカ缶のチェリー(あの個性的な味のシロップに漬かった名鉄カラーのさくらんぼ)を腹いっぱい食べるのが夢です。
本書には、上記以外にも、すごい缶詰、おもしろい缶詰がたくさん紹介されている。それらすべてを「開缶」し、中身の写真も並べられており、見ているだけでもお腹が空いてくる。さらに、秋田県の「オリジナル缶」という文化、ツナ缶のシェアが9割以上という静岡県の秘密、謎の職業「打検士」など、缶詰にまつわるおもしろエピソードも満載で、「見てヨシ」「味わってヨシ」と、まさに缶詰のような1冊だ。
サバ缶以外の缶詰が気になり始めたあなた、スーパーや輸入食材店、あるいは近所の缶詰バー、そして世界へ旅に出よう。新たな出会いの予カン。そして、“味惑”の快カンがあなたを待っている! すごいぜ、缶詰! 缶詰だ~いすき!
文=水陶マコト