お金持ちは“特別な人間”じゃない。学校では教えてくれないお金が貯まる「ツボ」って?
公開日:2018/8/23
時の人やIT社長に代表されるような、資産数百億円、数千億円を持つ億万長者たち。彼らは私たち凡人からみればまさに雲の上にいる“特別な人間”で、天地がひっくり返っても自分はお金持ちになれないように思える。だが、日本には1億円の資産を持っている人が100万人以上いるといわれている。名だたる企業の経営者になることは現実的ではなくとも、日本に100万人“も”いる「お金持ち」になる、そう考えればそれほど夢物語ではないはずだ。では、私たちと「お金持ち」は何が違うのだろうか。
本書『お金の大事な話 「稼ぐ×貯まる×増える」のヒミツ』(泉 正人/WAVE出版)では、「お金を増やす能力は、運動神経と同じもの」だと語る。お金を稼ぐために必要なのは、運でもテクニックでもなく、お金に対する考え方や姿勢にある。しかも、それは他人から助言を受けたり、自分で経験したりしながら鍛えられるというのだ。本稿では、フリーターから年収2億円にまで登りつめた著者が語る、「お金持ち」になるための基本的な考え方をいくつか紹介していきたい。
■仕事を通じてどれだけ学ぶことができるか
仕事を選ぶとき、それを「お金を得るための手段」とだけ捉えるのではなく、「そこから何を学べるのか」まで含めて考えるようにする。そうすれば、仕事の対価には、額面の給与だけでなく、次の仕事や人生につながる知識や経験がプラスされるのだという。若かった当時フリーターであった著者は、ITについて学ぶために4、5人しかいない零細のIT関連会社に就職し、中古車検索サイトの広告営業をした。小さい規模だったからこそ、オンラインショップやホームページ制作、システム開発などの経験も積むことができ、それがのちにITベンチャーとして起業することにつながったという。まさに、給与以上のものを仕事から得たというわけだ。
■お金が入ってくる仕組みを持つ
著者が起業して始めたのは、高級オーディオのインターネット販売。その当時(2000年ごろ)、日本と海外の高級オーディオ市場では、同製品でも数十万円の価格差があったそうだ。著者はここに注目し、ネットで知り合ったハワイ在住の日本人と協力して、オーディオを日本に輸入して販売するネットショップを立ち上げたのだという。著者たちは、事務所や在庫をもたず、コストを最小限に抑えて「お金が入る仕組み」を作り上げた。こうしたお金とモノが流れる仕組みをきちんと作っておけば、人を雇って作業を分担するようになってもビジネスは自然に回っていくという。著者が後に大成功を収めた不動産投資も、定期的な家賃収入による「お金が入る仕組み」だといえるだろう。
■知識と時間に“レバレッジ”をかける
レバレッジとはもともと「てこ」を表す言葉で、投資の世界では「他人のお金を使い投資を行うこと」を指している。このレバレッジは、不動産投資を行う際にも重要なのだが、その考え方は「知識」や「時間」にも応用できる。成功したお金持ちたちは、自分の頭脳だけで何もかもこなそうとはせず、その道のプロにできるだけ仕事を任せているのだという。事業を行う際には、さまざまな専門知識が必要になる。だが、それを一からコツコツと勉強して身につけるよりも、専門家に聞いて補うことができれば、自分で勉強するよりも確実に早く正確な知識が得られる。こうして得た“他人の知識”を利用してビジネスを行い、専門家に支払った金額の何倍ものリターンを得る…というのが、知識と時間にレバレッジをかけるということだ。
本書は、「お金持ち」になるための普遍的な考え方を教えてくれる教科書であると同時に、著者が得意とする「不動産投資」に関しては、専門的な領域にしっかりと踏み込んだ実践的な指南書でもある。著者が最初に購入した660万円の物件を選ぶために2年の歳月を費やした話や、そこから家賃収入年間2億円に到達するまでのノウハウもきっと参考になるはずだ。本書のテーマに則した無料講座も開講されている。お金を「貯める」「稼ぐ」「増やす」それぞれの力の伸ばし方を学べるもので、著者が代表を務める総合マネースクールの人気講座である。ぜひ投資の基本である「自己投資」のスタートとして、第一歩を踏み出してみてはどうだろうか。(お金の教養講座〈無料〉申込ページは【こちら】)
文=中川 凌