節約しなくても3年で「年収の半分」がラクラク貯まる!?【ほったらかし貯金術】

暮らし

公開日:2018/8/14

『遊んでいても勝手に貯まる ほったらかし貯金術』(永岡書店)

 お金を貯められる人と、貯められない人の差はなんでしょう。世帯年収1000万円超えで貯金ゼロの家庭もあれば、400万円できちんと貯金を増やせている家庭もある。ということは、年収は言い訳にできないようです。

「家計のやりくりはダイエットと同じ」と語るのは、これまで1万人以上の家計を再生してきた家計再生コンサルタントの横山光昭さん。横山さんによれば、貯金を成功させるカギは、年収でも、意志の強さでもなく、“家計の体質改善”にあるといいます。

 ダイエットしようとするとき、食事の量を減らしてカロリー制限するのは、ストレスも多くなかなか続かないですよね。貯金も同じで、生活を切り詰めて貯金を増やすのは、負担が大きく成功しにくいのだとか。

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 逆に、痩せやすい習慣と体質を作ってしまえば、無理な食事制限をしなくても理想のスタイルを保てるように、家計も、一度貯まりやすい習慣を身につけてしまえば、あとは意識せずとも自然に貯金ができていくのだとか。

 では、“貯まる体質・習慣”とはどんなものなのでしょうか。本記事では、よく言われる「生活防衛資金=年収の半分」を3年でラクに貯めるためのテクニックを、横山さんの著書『遊んでいても勝手に貯まる ほったらかし貯金術』(永岡書店)の中からいくつかご紹介したいと思います。

■【お金の使い方を意識するS級ワザ】
口座を「使う」「貯める」「増やす」に分ける

「貯金ワザは5つのジャンルに分けられる」と横山さん。その5つとは、

・固定費を見直す
・代替品に切り替える
・お金の使い方を意識する
・モノの価値を知る
・モチベーションを維持する

 ですが、さらに本書では、取り組みやすい順から「S級→A級→B級」とランクを付けて、計40もの貯金ワザを紹介しています。

「口座を『使う』『貯める』『増やす』の3つに分けて管理する」というのはまずチャレンジしてほしいS級ワザ。お金の流れをシンプルに整えることで、家計の現状が把握しやすくなるといいます。

 具体的には、家族の収入が振り込まれるのが「使う口座」。家賃や光熱費などもすべてこの口座から引き落とすようにして、生活費を出し入れするベースにします。

 貯金分(毎月の手取り額の1/6が理想)は先取りして「貯める口座」に。「貯める口座」に目標の貯金額が貯まったら、それ以上は「増やす口座」に移し、資産運用を考える元手にするといいのだとか。本書では最後に、リスクの低い、初心者向けの「投資ワザ」もいくつか紹介しています。

■【代替品に切り替えるS級ワザ】
格安スマホへの乗り換えを検討してみる

 大手キャリアからMVNO(いわゆる格安スマホ)に乗り換えることで、毎月のスマホ代が1/3近く減らせる可能性も!

 私自身、格安スマホに切り替えて、それまで夫婦で2万円かかっていたスマホ代が7000円ほどに減った一人。わが家の場合、私が最新機種を希望したため、機種代金の月賦も合わせて月5000円ほどかかっていますが、夫は機種代金ゼロのものにしたため、月2000円で済んでいます。

「キャリアメールが使いたい」「キャリア独自のサービスやアプリが使いたい」などの理由がないのなら、大幅な固定費削減になるので、試す価値アリ。解約金の負担や、通話料の仕組みなど各社のサービスやプランをまずは比較・検討してみましょう。

■【モチベーションを維持するS級ワザ】
夫婦でお金について話し合いをする

「貯金ができる家庭の特徴は、お金に関する風通しがいいこと」と横山さん。「男性は家族にお金の話をされると(稼ぎが悪いと)責められているように感じる」なんて話も聞きますが、そこはタイミングを見計らって、上手に話を進めたいところです。横山さんいわく、

・男性には具体的な数字で伝えると◎
・男性は現実的な計画を立てるのが得意

 ということなので、「なかなか貯金ができない」「家計のやりくりが大変」といったあいまいな話し方は避け、「いざという時のために年収の半分の○円を貯めよう!」と共通の目標を持ちかけ、そのためにどうしたらいいか、具体的な話まで落とし込めるといいですね。

 本書では他にも、「貯金メーターを作る(S級ワザ)」「コンビニを一週間使わない(A級ワザ)」「お金を一円も使わない日を作る(B級ワザ)」といった“貯まる家計体質”になるためのメソッドを、分かりやすいイラスト入りで掲載。

 一つ一つのワザは簡単ながら、続けることで確実に“貯まる体質”に近づけるものばかり。「3年かけて年収の半分」と聞くと地味に感じるかもしれませんが、貯金が苦手な人も、“その額が貯められる=貯まる体質になった”ということ。その頃には「貯金って、なんて簡単なんだろう」と言えるようになっているかもしれません。

文=八巻奈緒