食事とゆるトレでカラダは変わる。めざせ! 腹の割れた40代

健康・美容

公開日:2018/8/25

『40代からのシックスパック』(岡田 隆/飛鳥新社)

 最近、お腹まわりのたるみがちょっと気になる…。家族や職場の人間にもメタボをいじられる…。若い頃はもうちょっとモテてた気がする…。そんなことを考えている方に手に取ってもらいたいのが『40代からのシックスパック』(岡田 隆/飛鳥新社)だ。

 著者は日本体育大学准教授で、日本オリンピック委員会(JOC)強化スタッフ(柔道)も務める岡田隆氏。「バズーカ岡田」というニックネームでテレビや雑誌で活躍しているのでご存じの方もいるのではないだろうか。そんな岡田氏が「晩酌しながら腹は割れる!」をキーワードに、無理なく継続できる「いいカラダ作り」を解説してくれる。

■シックスパックを作る最大の鍵は、食事!

 腹筋がきれいに6つに割れたシックスパック。これを作ろうとするとき、あなたなら何をするだろうか? おそらく、ほとんどの人が腹筋トレーニングを考えたと思う。しかし、この方法は間違いではないにせよ、非常に遠回りなことだと著者は指摘する。

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『いわゆる「シックスパック」とは、誰の身体にも存在する「腹直筋」のかたちが見てとれる状態を指した言葉です。つまり、腹直筋を覆い隠している皮下脂肪を落とせば、それだけでもう、腹は割れるのです。
 毎日、腹筋100回をしても腹が割れなかったのは、単に腹まわりの脂肪を落とせていなかったからにすぎません。』

 岡田氏いわく「究極の二択として、適切な食事と筋トレ、一日このどちらかをやめろと言われた場合、私は迷わず筋トレを捨てます」。それだけ食は「いいカラダ作り」に大きなウェイトを占めているらしい。ハードな筋トレなどすることなく、毎日の食事を見直すだけで、あこがれのシックスパックがぐっと身近になってくる。

 シックスパックを覆い隠している腹まわりの脂肪を落とすために必要なのは、食事制限。本書では、3大栄養素の炭水化物、タンパク質、脂質のなかでも、タンパク質を優先する食事を勧めている。「簡単激ウマ! 6パックレシピ」と題して、晩酌のおつまみからメインディッシュまで28品目の簡単なレシピも紹介されているので、毎日のおかずをこれに1品差し替えるなどして食生活を変えていくことで、一気に体脂肪は落ちてくる。

 事実、本書の担当編集者はこのレシピを中心とした献立を組み、後に紹介する筋トレメニューと併用することで、2ヵ月半で6キロ超の減量に成功し(腹囲は8センチ減)、その様子を本書の書店用POPにも掲載している。

サラダチキンとレタスのおかか和え
木綿豆腐の塩コンブ茶漬け

チーズダッカルビ

■4つのアイドルワークと3つの腹筋トレーニングでシックスパックに

 腹まわりの脂肪を落とすための食事制限と並行して行うのが、いわゆる筋トレ。しかし、この筋トレにもしっかりと効果を出すためのポイントがあると著者は指摘する。

現状、運動習慣がほとんどない皆さんが、ある日思い立ったように筋トレを始めたところで、それがどんなにいい種目だったとしても、狙った効果は得られません。

 では、どうすればよいのか? その答えは「可動域を取り戻すアイドルワーク」だという。背骨全体、胸郭、腰椎と骨盤、この3カ所を伸ばすストレッチをすることで、筋肉が目覚め、可動域を取り戻すことにつながっていくという。本書では、

・シャクトリ・ムーブ
・ムカデ・ムーブ
・アームワイパー
・レッグワイパー

の4種目が紹介されている。どれも簡単な動きだが、正確に行うには体の柔軟性が必要なものも。じっくりと正確に行えるように繰り返したいところだ。

 4つのアイドルワークで可動域を取り戻したあとは、いざ筋トレへ! 本書では「厳選! 腹筋覚醒トレーニング」と題して、次の3つの筋トレを紹介している。

・ロール&シットアップ
・バキューム
・ツイスティング

 筆者も実際に挑戦してみたが、ロール&シットアップの場合、3秒で起こして、3秒で戻るというピッチを守りながら、背骨を順番に丸めるように意識して行うと、かなりの負荷が腹筋にかかる。これを10〜15回×3セットというのは、普段、だらけた生活をしている者にはかなりきつく、トレーニングしている満足感も得られるはずだ。

 40歳になって、今さら筋トレ? と考える人もいるかもしれない。しかし、欧米では肥満は「自己管理ができていない」として出世の大きな妨げとなるという事実がある。日本もそのような時代に突入しつつある今、本書が提案する「晩酌しながら」できるトレーニングはサラリーマンにとって大きな福音となるだろう。毎日、風呂上がりにうっすらと割れていく腹筋を確認することで、デキる男の自己イメージも上がり、同時に生活習慣病のリスクも下げることにもつながる。見た目と健康、その両面でよい効果を得るために、今からシックスパックをめざしてみてはいかがだろう。

文=井上淳