「抱っこしすぎて手首が痛い」「もうカラダが限界…」育児疲れに効く、疲れない体の使い方

出産・子育て

公開日:2018/8/26

『子育てでカラダが限界なんですがどうすればいいですか?』(斎藤充博/青月社)

 抱っこにおむつ替え、寝かしつけと、朝から晩までやることだらけの育児。厄介なのは、睡眠不足が重なって、疲れが取り切れないうちに次の疲れがやってくること。そんな毎日が重なると、体はヘトヘト、頑張りたいのに動けないような限界の状態に…。

 そんな時に参考にしたいのが、指圧師である著者が、子育てをしている人のために書き下ろしたという『子育てでカラダが限界なんですがどうすればいいですか?』(斎藤充博/青月社)です。本書では、抱っこやおむつ替えをする時の「疲れない体の使い方」や、肩こりや腰痛に効く「簡単セルフケア」など、48の秘技をわかりやすいイラスト付きで解説。ここでは、その中からすぐにでも試したい方法をいくつか紹介します。

■乳児を抱っこする時は、ワキをキュッと締めるとラク

 著者の元には、「抱っこしすぎて手首が痛い」という人がよく訪れるそうです。抱っこで腕や手首を使いすぎると、腱鞘炎になりやすいのだとか。乳児を持つ親御さんに当てはまる悩みですよね。

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 本書によると、乳児の体重はまだ軽いので腕だけでも抱っこできますが、その時間が長くなると、手首や腕の負担が大きくなります。長時間抱っこする時は、ヒジを胴体につけ、子どもと自分の体のくっついている面積を広くすると、子どもの体重を腕だけでなく胴体で支えることに。腕の疲労を避け、腱鞘炎の予防にもなるそうです。

■床をふく時は、正座ではなく片膝を立て、首から腰にかけての負担を減らす

 子どもが大きくなってくると、食べ物をこぼしたりして「床をふく」ことが多くなりますよね。この時、正座の姿勢で腕を伸ばしがち。それを、片膝をつき、もう一方の足に体重をかけ、体重をかけている足と反対の手で床をふくと、首から腰にかけての負担が少なくなるそうです。つまり、右足の膝をついた場合、左足に体重をかけながら、右手でふく、ということ。この「片膝をつく」方法は、床でおむつ替えをする時にも使えるそうです。

■3分あればできる! 肩こり、腰痛に効く簡単セルフケア

 体の使い方を工夫しても、疲れがたまることがあります。そんな時は、スキマ時間にできる簡単セルフケアを。

 子育てからくる疲れで多いのは「肩こり」ですが、「肩こり」ではなく「首」が疲れているケースが多いのだとか。その証拠に、首が固くなっていませんか? 「肩が痛いな」と思ったら、首の後ろの「僧帽筋(そうぼうきん)」を伸ばすストレッチを。方法は簡単で、頭の後ろで手を組み、そのままヒジを下ろすだけです。

 腰痛も、育児疲れで多い悩みのひとつ。腰が痛くて仰向けで眠れない人は、布団の上で横向きになり、できるだけ丸くなって休むのが有効だといいます。3分ほどやってから仰向けになると、さっきよりも寝やすくなっているはず。気持ち良くなったら、そのまま眠ってしまいましょう、と本書では提案しています。

■蒸しタオルで胃を温めると、育児ストレスが解消される

 前述の「疲れない体の使い方」「簡単セルフケア」だけでも疲れは十分にとれそうですが、本書で提案されている「時間がある時のケア」も、ぜひお試しを。なぜなら、自分へのご褒美とも言えそうな、気持ち良さそうなものばかりだからです。

 たとえば、ストレスで胃が縮こまっているような時は、レンジなどで温めた蒸しタオルをおへその少し上あたりに乗せて、胃をじんわり温めるとリラックスできるのだとか。筆者は、育児中に自分の時間をとれなくてストレスが溜まることが多いので、5分でも10分でも自分の時間を作り、この心地良さそうなケアを試してみたい! と思っています。

 本書を読んで、子育てというのは、自分でも気づかないうちに体に負担をかけているのだな、ということに気づきました。疲れを溜めないためには、疲れの原因になっている負担をひとつずつ和らげていくことが大事だといえそうです。本書で紹介されているのは、多忙な育児中にもできる、ちょっとした工夫ばかり。その日の疲れはその場で取りのぞき、明日も子どもに元気な笑顔を見せられるといいですね。

文=吉田有希